トップページ >> 【地方自治入門】 費用弁償のしくみ

費用弁償、いわゆる日額旅費のしくみと問題点についてまとめました。

費用弁償(日額旅費)って何?

 

日額6,000円はどうやって決めたの?


収支報告は必要なの?


この制度の問題点は?


参考資料

  特別区の支給状況

  東京23区の議員報酬・費用弁償のランキング

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費用弁償(日額旅費)って何?

費用弁償とは、区議会議員が議会や委員会に出席すると、旅費として日額6,000円が一律に支給されるという制度です。

 

議員は、(1)招集に応じ、(2)委員会に出席するため、(3)公務のため特別区の区域内に旅行したとき、費用弁償として日額旅費6,000円が支給される。

−練馬区議会議員の報酬および費用弁償に関する条例 第7条

 
費用弁償については、地方自治法に「議会の議員、委員会の委員、非常勤の監査委員等は、職務を行うために要する費用の弁償を受けることができる」という規定があります。
 

1 普通地方公共団体は、その議会の議員、委員会の委員、非常勤の監査委員その他の委員、自治紛争処理委員、審査会、審議会及び調査会等の委員その他の構成員、専門委員、投票管理者、開票管理者、選挙長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人その他普通地方公共団体の非常勤の職員(再任用短時間勤務職員を除く。)に対し、報酬を支給しなければならない。

3 第1項の者は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる。

−地方自治法 第203条

 

判例によれば、「この費用弁償は実費の弁償の意味を持つが、その額は厳密に実際に要した経費と同額でなければならないものではなく、標準的費用を基礎とした定額で支給されているのが通例である。額をいくらとするかは議会の裁量判断である」とされています。

また、別の判例では実費の多少にかかわらず一定額を支給することについて、「費用の中には実費の算定の困難なものや個々の支出について旅行者に証拠書類の確保を求め、事務担当者に確認の手数の負担になるものなどがあり、手続きの煩雑と経費の増大が想定される。実際に費消した費用が多くても少なくても個別の事情を考慮せず定額を支給することは、社会通念上、実費弁償の本来の建前を損なうとは言い難い」と正当化しています。

一方、練馬区議会議員には月額21万円の「政務調査費」が支給されており、日常的な調査研究活動に必要な経費として交通費や通信費にあてることができます。この「政務調査費」については、領収書を添付した収支報告が必要と定められています。

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日額6,000円はどうやって決めたの?

現在の日額6,000円は平成5年4月に定められたものです。この時の条例改正の提案説明には「タクシー等交通機関の運賃の上昇に鑑み」と述べられています。

この旅費の中身は、交通の実費と雑費とされています。交通の実費とは実際にかかる交通費であり、雑費とは会議等の出席に伴う電話代、ファクシミリ代などとされています。

交通の実費は常勤職員の通勤手当のように自宅と庁舎との移動に要する運賃ではなく、議員の活動が区内全域に及ぶことを踏まえて定められているそうです。さらに、額を定めるときは他区や類似の団体の事例をも参考にするのが通例です。

つまり、費用弁償はいわゆる”通勤手当”ではなく、議員が職務で区内を移動する際の交通費(タクシー使用が前提になっている)や通信費等をまかなうためのものだと言えます。また、日額6,000円という数字にはとくに根拠はなく、他区の金額を参考に横並びで定められているもののようです。

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収支報告は必要なの?

費用弁償については、政務調査費と異なり、領収書の提出など収支を報告する義務は全くありません。

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この制度の問題点は?

練馬区議会議員は練馬区内に在住を義務付けられています。練馬区内で一番遠い地域から区役所に訪れるにしろ、公共交通機関を利用すれば往復1,500円ほどですむはずです。
また、区役所の近くには議員専用の駐車場も用意されているので、車で出勤する場合には駐車場代はかかりません。しかも、徒歩で出勤する場合でも支払われることから、旅費という扱いはなじみません。

しかし実際には、手続きが面倒で事務処理にコストがかかるという理由で、実費を大幅に上回る金額が一律に支給されているのです。これは、区民が納めた貴重な税金の使い方として、あまりにも乱暴で不透明と言わざるをえません。

しかも区議会議員には月額21万円の「政務調査費」が支給されており、日常的な調査研究活動に必要な経費として交通費や通信費にあてることができます。議員は月額63万円の報酬を受けていることもあわせて考えると、これは給料の二重取り、三重取りとも言える状況です。

15年度予算では議員の費用弁償(日額旅費)で支払われる総額は2,816万円、単純に計算すると議員一人あたりでは年間56万円の収入になっています。費用弁償(日額旅費)を廃止もしくは実費の支払いに変更すれば少なくとも年間1,000万円以上節約できます。
1,000万円の予算があれば教師の増員や介護ヘルパーの増員などいろんな有効な使い方ができます。

今、企業では正規雇用の縮小による賃下げが行われ、保険料や年金などの負担も増加しています。議員も不透明なカネの使い道を明らかにして、必要のない支出を削減していくことが求められています。

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参考資料

特別区の支給状況(平成18年4月現在)

 A.額別の状況

1位 6,000円 港区、品川区、大田区、世田谷区、練馬区 (5区)
2位 5,000円

千代田区、中央区、台東区、北区、目黒区、渋谷区、墨田区、江東区、足立区 (9区)

3位 4,000円 文京区、板橋区 (2区)
4位 3,000円

荒川区、中野区、豊島区、葛飾区、江戸川区 (5区)

5位 2,500円 新宿区 (1区)
  6位 0円 杉並区 (1区)
 B.自治体の規模別(面積の上位5区)の状況
1位 大田区 (6,000円) 59ku、65万人
2位 世田谷区 (6,000円) 58ku、80万人
3位 足立区 (5,000円) 53ku、62万人
4位 江戸川区 (3,000円) 50ku、63万人
5位 練馬区 (6,000円) 48ku、67万人
 C.近隣区の状況
1位 練馬区  (6,000円) 48ku、66万人
2位 板橋区 (4,000円) 32ku、50万人
3位 中野区 (3,000円) 16ku、30万人
4位 豊島区 (3,000円) 13ku、23万人
5位 杉並区 (0円) 34ku、51万人

 D.最近の改定状況

  • 平成14年4月 文京区 (11ku、17万人) 5,000円 から 4,000円 に引き下げ
  • 平成15年4月 新宿区 (18ku、27万人) 5,000円 から 2,500円 に引き下げ
  • 平成15年4月 葛飾区 (35ku、42万人) 5,000円 から 3,000円 に引き下げ
  • 平成15年4月 墨田区 (14ku、22万人) 3,000円 から 5,000円 に引き上げ
  • 平成16年4月 豊島区 (13ku、24万人) 5,000円 から 3,000円 に引き下げ
  • 平成16年4月 板橋区 (32ku、51万人) 6,000円 から 4,000円 に引き下げ
  • 平成16年4月 江戸川区 (50ku、63万人) 6,000円 から 3,000円 に引き下げ
  • 平成18年4月 杉並区 (34ku、51万人) 6000円を廃止

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関連項目 23区議員報酬・費用弁償の比較表

 

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