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まるでおはぎのようにも見えますが、ゆずの実です
鉄球のように変色した柚子 (撮影:斉藤恵子さん)

今そこにある危機

「杉並病なんて隣の区の問題で自分には無関係。」
「それに、もうとっくに過去の話でしょ。」
そう思われている方が多いかもしれません。

しかし杉並病の被害は、行政が事実上の安全宣言を出した2000年10月以降も終わってはいませんでした。

いったん杉並病を発症した被害者の方々は、今でも様々な症状に悩まされ、苦しみ続けています。汚染源とされる杉並中継所周辺の植物には枯死や発育障害など多くの異常が見られ、中継所からの大気汚染が改善されていないことを伺わせます。もちろん植物だけでなく、昨日まで健康だった人が急に体調を崩したり、自宅で突然亡くなるようなことが続いているそうです。

井草在住の斉藤恵子さんは、自らの体調不良をおして杉並病の現状を写真に記録し続け、ご自宅で公開されています。 「夢のユートピア写真展」と名づけられたその写真展を見に行けば、杉並病が過去の公害病ではなく、まさに"今そこにある危機"だということがよく理解できます。

杉並中継所の周りは住宅地で、幼稚園や学生寮が目の前にあります。中継所と一体化した井草森公園では、親子連れや若者など老若男女が思い思いの休日を楽しんでいます。
一見平和な光景ですが、空気中の汚染物質は日々体内に蓄積され、今すぐには発症しなくとも、やがて許容量を超えたときに突然牙を剥きます。 (コップの理論※)

※コップの理論
化学物質を水に、人間の化学物質への耐性をコップにたとえる。コップの大きさは個人ごとに異なるが、水を注ぎ続ければいつかはコップからあふれる =発症する。いったんあふれたコップは水を一滴加えるだけでも再びあふれ出す=化学物質過敏症。
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