2005年04月17日
行政による調査
1999年5月、杉並区は委員会を設け井草森公園周辺環境問題の疫学調査を行った。調査票を郵送し後日回収の形を取り、井草の比較対象地区として、永福・久我山・和田を選んだ。30代・40代・50代・60代、男女各100名、1地区800名、計3200名を無作為抽出した。回収率は72.5%である。
同年9月疫学調査の結果が以下のように発表された。
(1) 3年から1年前(調査時から逆上って、つまり1996年操業時~1998年5月)の期間は、健康被害と杉並中継所との相関関係を認める。
(2) 1年未満(調査時の1年前から調査時まで、つまり1998年6月~1999年5月)については健康被害は沈静化している。
以上の結果を踏まえ、山田宏杉並区長は「徹底した原因究明が課題」と公表した。そして今後の区としての取り組みを計画したのである。
実はこの調査結果には問題がある。割合(パーセンテージ)の算出方法が間違っていると言う専門家の指摘がある。正しい方法で計算すると (2) の1年未満も健康被害は治まっていない。現に今も健康被害者は増加し重症化している。「今はすでに健康被害は治まっている」という結果報告のために、被害者は現在も苦しみ続けているのである。
1999年11月、東京都は柳川会長以下会員12名で上記委員会を発足させた。杉並区からは保健所赤穂保所長(当時)が参加した。
会に先立ち予備調査として都の職員が不燃ごみ杉並中継所周辺の被害を訴えている住民宅を訪問し聞き取り調査をすることになった。被害者たちは今度こそ救済対策を立てて頂けると期待した。ところが被害者宅を訪問した職員は「いつごろ臭ったか。日時は?どんな臭いだったか?」など臭気のことばかりで、健康状態についての質問は皆無だった。そして、どういうわけか地元の重症者宅へは足を運ぶこともなかった。
委員会は4回(うち1回は非公開)開催され、最終の2000年3月31日に次の通り結果発表があった。
(1) 杉並中継所周辺の健康被害は、下水道に混入した有機物が腐敗して発生した硫化水素が原因である。
(2) 公園の添木に使ったクレオソート油も健康被害の要因である。
開園2年も前に使ったクレオソート油原因説は論外として硫化水素については、損害賠償の項で述べたいと思う。いずれにしても石原東京都知事が陳謝したのは事実である。
結果発表の翌日の2000年4月1日、杉並中継所は東京都から杉並区に移管された。
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