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![]() 横須賀市の入札風景(現在) 高コストと言われる公共工事をめぐる談合が社会問題となっています。自治体の制度改革によって談合を根絶することは出来ないか。練馬区でも入札改革が始まり17年度には電子入札の開始が予定されています。全国で先駆けて「条件付き一般競争入札」と「電子入札」を本格導入し、談合防止に効果を上げている神奈川県横須賀市の取り組みを取材してきました。 1998年7月。当時、横須賀市の入札の平均落札率は95%台で「高止まり」していた。なぜ、高止まりしているのか、横須賀市は業者間で自由な競争が行われていないと判断し入札改革を断行した。 横須賀市がまず行ったのは指名競争入札の見直しだ。入札参加業者を市が指名するやり方で、参加業者が数社から十社程度に限られるため、談合をしやすい面がある。そこで98年7月、市は一定の施工能力がある業者を広く入札に参加させる「条件付き一般競争入札」方式へ移行した。翌99年4月には、これをほぼ全工事に広げ、2000年4月から公告を行う条件付き一般競争入札に"完全移行"した。落札率はみるみる下がった。97年度は95.7%だったのが、98年度は90.7%、99年度には85.7%、00年度は87.3%で入札改革後の落札率は平均10%近く低下し、年間数十億円の税金が節約されることとなった。 さらに2002年1月、入札事務の効率化や入札の透明性を上げるために全工事案件に「電子入札」を導入した。電子入札とは一体どのようなものなのか。 まず、工事を請け負いたい業者は横須賀市が公表している入札予定価格と最低制限価格(85%)を参考に入札価格をメールで送る。業者が送った入札価格は横須賀市の公証サーバに入札開票日まで保管される。ちなみに入札価格を送るのは24時間可能だ。 そして、開票日には無作為で選ばれた3社が開票に立ち会う。 横須賀市の佐藤清彦契約課長は「セリでも100%から始まるセリはない。99.99%から始まるのは当たり前のことです。一方でくじ引きで落札価格が決まることに落札できるかどうかは『運』だけだと言う批判があるが、入札を落札すると言うのはもともと『運』と言うところがある。ただこれからよりよい解決方法を模索し入札システムを進化させていく」と話している。 横須賀市は電子入札の導入によって数十億円の節税を実現し、さらに入札1回あたり151分かかっていた時間が約10分ですむ様になり、職員数を2人削減し時間外手当も五分の一になったという。 一方で工事を行う市内の業者の反応は複雑だ。 ある業者の話を聞いてみた。「電子入札によって便利になった部分もあり全面否定はしないが、くじ引きで『運』で決まってしまうのは困る。市は業者ごとに成績点をつけて価格だけで落札業者を決めないといっているが、私の会社は3年間一度も工事を落札できていないので、成績点はつかない。実際、最低価格で落札した業者の中には納期を守れないところが出て来ています。真面目にきちんとした工事をする業者は報われない」と電子入札の問題点を話してくれた。 また、別の業者は「昔、公共事業がおいしい仕事と言われた時代が確かにあった。しかし、私たちはおいしい仕事をほしいと言っているわけではないのです。例えば昔の公共事業がフルコースの料理だとすると今は牛丼なみです。せめて普通の食事ができるくらいの工事にしてほしい。このままでは、無理な安値による落札によって不良工事が多発してしまうかもしれない、ただ普通に仕事をしたいだけなのです。民間にこれだけ痛みを押し付けるのならば、行政や公務員は率先して範を示してほしい」と語ってくれた。 * * * 横須賀市の建設業界では不況の影響もあり倒産が増えているといいます。談合や癒着を無くし、さらに行政の効率化を実現する電子入札だが、真面目に仕事をする業者とそうでない業者をどのように区別し、改革を行っていくのか。一生懸命働いた人たちが報われるシステムになるよう、まだまだ課題は多く残されています。 −参考− |






