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2006年10月05日

決算審議 最終日 

決算審議の最終日はすべての項目に関して自由に質問できる全款補充質疑となっています。
今日は全国的な税財政問題の現状から練馬区の財政への将来的な影響に対する備えについて質問をしました。

まず練馬区を含む東京23特別区は全国の市町村と違い、その名のとおり税財政でも特別な自治体で極めて裕福な自治体だといえます。それは都区財政調整制度という制度のもとで東京都と23区だけで法人住民税や固定資産税を分け合っているため、日本の企業の多くが集中する都心から得られる法人住民税などの税収を23区のみで使えることが大きく寄与しているからです。

しかし、23区といっても都心の千代田区や港区、渋谷区といった区と練馬区ではおかれている状況はまったく違うわけで、仮に練馬区が23区でなくなれば練馬区単独での税収力は隣の西東京市より落ちる可能性が高くあります。さらに財政力を現す指標である財政力指数(1を超えると不交付団体)を見ると、練馬区は他の市町村と税制の構造が違うとはいえ、1994年0.63から2005年には0.48まで落ち込んでいます。これは財政調整交付金という23区内での交付金への依存度が高まっていることをあらわしてもいます。

ここからが問題なのですが、地方分権が進む中で全国的な地方税財政改革が次の分権改革の主要なテーマになってきます。そして東京都と23特別区は国と全国の道府県、市町村から極端に多い税収を全国の市町村に水平に配分する必要があると強い指摘を受けています。それは東京都が今年5月に出した「緊急アピール 東京狙い撃ちへの反論」を見ても東京都の持つ危機感というのは相当なものです。では、実際に東京都と23区の税源が全国の市町村に振り分けられるとどうなるかというと、23特別区が分け合っている都区財政調整交付金の原資である法人二税が大きく減ることになることから23特別区への影響は極めて大きく、さらに財政調整交付金への依存度が高い練馬区にとっては危機的な状況になります。

しかし、全国的な地方分権の流れからすればいつまでも東京23特別区だけが特別に裕福な状態でいられるわけもありません。そのことから、税収があるうちに練馬区内で多くの税収が得られる財政力をつけるかというのは長期的に見ると待ったなしの状況だといえます。

また、一方で23特別区の福祉は市町村と比べ非常に高いレベルにあるというのはそれだけ財源がかかっているということでもあり、その原資が減少するのであれば区民生活への影響をできるだけ少なくするために積立金(貯金)を持つ必要があります。この積立金(貯金)に関しても練馬区は17年度で約299億円(18年度末では400億円を超える予定)となっていますが、一方で区債の残高(借金)が約958億円あり貯金より借金の方が多くなっています。練馬区と同じく財政調整交付金への依存度が高い江戸川区を見てみると17年度末で積立金(貯金)は約745億円で区債の残高(借金)は約552億円となっており、貯金で借金を全額返済できる状態にあります。

このような状況から考えると地方税財政改革に備え長期的な練馬区の税財政構造改革を行うことは急務であり、一時期的に税収が増えたからといって箱物を作ったり補助金をばら撒いたりする無駄使いをする余裕はまったくありません。

政治というのは今だけを見て行う「今日のためだけの政治」が求められているのか、それとも「今日より将来への安心を実現する政治」が求められているのか、来年に選挙を控えた状況から財政支出を唱える声が多くありますが、私はこういうときこそ未来への投資(子育て・教育など)を行いながら将来へ向けた長期的な視点に立った財政運営を行う必要があると思っています。そして、区民に一番求められているのも「将来への安心(不安の払拭)」なのだと日々感じてもいます。

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2006年09月22日

東京23区の10年・20年後は・・・・

地方分権等調査特別委員会が行われました。

今日は、東京都と23区が今後の都区のあり方について検討する「都区のあり方に関する検討会(都区の問題についてはコチラ)」の第三回の内容について議論しました。

都区のあり方に関する検討会の第三回目のテーマは全国的に進められている市町村合併の状況などを踏まえた「区域のあり方」についてであり、23区の区割りについてさまざまな議論が行われたようです。

議論の中では
・明治から昭和に掛けて、東京という都市が急速に拡大してきたことに伴い、特別区の区域は、拡大と再編を繰り返してきた。その後、特別区が23区となった昭和22年から変わっていないが、この間の生活圏や経済圏の広がりは、明治から終戦までを遥かに凌ぐものがあり、特別区の区域のあり方を改めて検討する必要がある。

地方制度調査会答申において、特別区の区域の見直しの指摘がなされており、再編を含めた、抜本的な見直しの議論が必要である。

・財政を均分化するための再編案を提案する人もいるようだが、その考えには非常に違和感を覚える。財政上の効率化の話だけでは、住民意識はついてこない。

などさまざまな考え方が提起されたようですが個人的には東京23区は全国1817の自治体に比べきわめて裕福な自治体であり、その点からすれば今後の地方分権議論では東京都や23区が全国の自治体から改革を迫られるのは時間の問題だと思っています。そのことからすると、どのような形になるにしろ現在の東京23区の財政などを含めた枠組みなどが、将来にわたり存続していくというのは考えにくいのは容易に想像できます。

東京23区と言う自治体は他の市町村に比べ極めて財源もそうですが恵まれた自治体です。全国の市町村では自立した自治運営をするために住民と共に自治を担う仕組みの協働が進んでいますが、東京23区というのは行政も議会も、恵まれているがゆえに財政的危機意識は全国の自治体に比べ遥かに遅れています。しかし、今大切なのは体力があるうちに将来に訪れるであろう改革に備えた準備であり、そのような取り組みがなければ、改革が訪れたときに一番困るのは区民だといえます。

いずれにしても、「都区のあり方に関する検討会」は非公開で議事録もないため、こうした重要な議論が行われていることや内容はもっとオープンにしなければならないと思うところです。

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2006年09月08日

活力ある地域の創造と地方分権型社会とは

定例会開催前で議会審議へ向けた準備に追われている毎日ですが、今日は前宮城県知事の浅野史郎さんの講演を聞きに自治総研セミナーに足を運んできました。

浅野史郎前知事は積極的に福祉政策を進める改革派の知事として有名な方でこれまでも何度かお話を聞いたことはあったのですが、「活力ある地域の創造と地方分権型社会」という全国の自治体で課題となっている課題へどのような問題意識を持っているのかを知りたく参加したものです。

さて、地方分権が進むと自治体はどうなるのかというビジョンはなかなか描きにくく、よく言われるのは、ふるさと・美しい自然・ぬくもりなどの抽象的な言葉です。しかし、これだけでは何も分かりません。浅野前知事はこのことを「スペシャル(地域特性)」⇒かけがいのないもの(地域的に違って当然)⇒地域への誇り。と位置づけています。これは、地方分権がなされれば地域が活性化すると思われている節が強くありますが「何を持って活性化」というビジョンは地域によってまったく違うという重要性を述べているともいえます。

そして、「地域の活性化」というとこれまでの国土政策では、公共施設や近代的なビルが立ち並ぶ都市のようになるのが活性化と位置づけられ、それは公共事業の大義名分という錦の旗とともに多くの人に活性化とは都市化という認識を植えつけてきました。

しかし分権型社会というのは、自治体が描くビジョン・価値観をまちづくりに反映させることが可能になることです。それは自治体間の格差を広げる可能性も強く含んでいる一方で、格差を広げる可能性があるからこそ、そこに自治体の創意工夫を生かせる土壌が生まれてくるのだといえます。このことを良いとするのか悪いとするのかは有権者が選挙を通じて選ぶこともでき、また市民参加を進めることで積極的に取り組むことができるようになります。

また、講演の中でなるほどと思ったのは「なぜ公共施設が有効活用されないのか」の原因について、「血みどろの努力、本当の必要性・危機感・切実性に追われて作ったものではないから」という分析は説得力のあるたとえでもありました。

その他にも貴重なアイデアや問題意識などを学ぶことができましたが、午後に行われたシンポジウムでも高知市の吉岡氏が掲げた
・「質の高い公的サービス」を目指した、住民ニーズに合致した効率的・効果的な施策展開と「低コストの公的サービス」をめざしたコスト意識を持った徹底した行財政計画の推進が重要である。
・どんなすばらしい施策であっても経費と時間は最小にする必要がある。市民のニーズが伴わなければ効果はない。
・行政の責務として、明確でわかりやすい、住民の意思決定に資する行政情報の提供と説明責任が極めて重要であり、行政においてしっかりとした仕組みを構築する必要がある。
などの自治体運営に必要な意識の提示は今後の参考になるものでした。

まとまりのない文章になってしまいましたが、こうした最新の自治体運営などについての研究会は分権社会に備えたビジョンの策定にとても役に立つものです。議員だけでなく区の職員などもこうした機会に積極的に参加し区政に生かしていける仕組みを充実させなければ、ビジョンなき自治体になってしまうのではないかと参加者の顔ぶれを見ていて強く感じたところでもありました。

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2006年09月06日

時間をかけて作るからには・・・・

本日行われた地方分権等調査特別委員会で7月末に行われた(仮称)自治基本条例を考える区民懇談会によるシンポジウムの開催結果が報告されました。来場者数は2日間で計94名です。

さて、この自治基本条例についてはさまざまな考え方がありますが、私はある一定の内容が盛り込まれていること、そして制定プロセスに区民の積極的参加がされていること、議会の積極的な取り組みがあれば必要であるという考えを持っています。

しかし、今回の制定プロセスでは区民懇談会での議論は一年以上にわたり熱心に行われたものの、議会での議論はまだまだ不十分な状況です。具体的には7月に懇談会から提言が出たものの、今年の12月の制定を目指していたため、月に一度あるかないかの地方分権等調査特別委員会で仮に議論したとしても数回で終わりになってしまいます。それでは、十分な議論、そして議会としての積極的な取り組みができる十分な時間があるとはいえません。

今日の委員会では、12月の第4回定例会での議案提出は行わず、引き続き議論を深めていくという方針が報告されたことは、今後議会が積極的に取り組む時間的余裕が生まれたことでもありよかったと思っています。

そして議会が積極的に自治基本条例の制定に取り組むためには、自治基本条例とはを広く学び、先行自治体の状況の研究、そして議会が積極的に関与して策定された際の議会の審議のあり方などを学び、練馬区議会での議論のあり方を考えていく必要があります。そのことから、今日は、議会が議員提出議案として成立させた三重県四日市市議会や4年半にわたり市民参加で取り組んでいる長野県飯田市議会、すでに議会が積極的に取り組み制定・運用されている東京都文京区議会や多摩市議会、神奈川県大和市議会などの視察を行うべきだという提案を行いました。

実際に視察が行われるかは今後の調整ですが、議員提出議案や議会への市民参加が積極的に行われ制定された自治体の市議会と意見交換を行うことは練馬区議会にとっても良い刺激になるはずです。

自治基本条例は自治体の最高規範を定めた重要な条例でもあることから、中途半端な議論で終わらせるのではなく、まずは議会と自治基本条例の関係を議員が学び知ることから、より現実的で有効な自治基本条例ができるのではないかと考えています。

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2006年08月22日

分権時代の地方議会のルール作り

来月から第三回定例会が開催されます。練馬区議会では定例会の一ヶ月前と一週間前には必ず議会運営委員会と非公式の幹事長会が行われます。

今日は議会運営委員会が開催されたのですが、議運の委員となりいろいろと疑問点を感じることが多々あります。

本日の議会運営委員会でも第三回定例会の一般質問の会派の順番や決算特別委員会の日程などが示されるだけの内容でした。しかしも議会運営委員会の前に必ず行われる幹事長会であらかじめ決められている内容を追認するだけであり、どのような議論が行われて議会運営委員会に議題としてあがってきたのかのプロセスはまったく見えません。

地方自治法109条2の3では
議会運営委員会は、次に掲げる事項に関する調査を行い、議案、陳情等を審査する。
一  議会の運営に関する事項
二  議会の会議規則、委員会に関する条例等に関する事項
三  議長の諮問に関する事項

とあります。法の趣旨は議会運営委員会が議会の運営等に関する事項を審議する正式な会議であり、今の練馬区議会の追認会議的なやり方は好ましいものだとはいえません。

今年5月に成立した地方自治法の改正では議会に関する法改正も盛り込まれていることから、法の改正を受けて練馬区議会がどのように改革していくのかを来年春までに決めなければなりません。

そのことから、今日は議会運営委員会にて、法改正にかかわる問題を含めた議会改革を集中的に議論していく必要があることを述べ、委員長と副委員長に議会改革を議論する場の設置を検討するよう求めました。委員長は意見として受け止めるとしましたが、今後、意見だけで言いっぱなしで終わるのではなく、委員長が今日の意見をどのように受け止め意見に対する考えをまとめてくれたのかを次回の議会運営委員会で聴かなければならないと思っています。

さて、これまで何度もお伝えしてきている栗山町の議会基本条例(過去の記事はコチラ)ですが北海学園大学法学部の神原勝教授が道町村時評に寄稿した論評に議会改革を進める上で大切なことが書いてありましたので一部紹介いたします。

四年半に及んで積み上げてきた議会改革を風化させず、その成果を今後も安定的に持続させるために制定した。だから、基本条例に盛り込んだ事項の多くはすでに実施中である。改革を周到に重ねて新しい議会運営の慣習をつくり、それを条文化したものだから、栗山町の議会基本条例はまさしく「生ける基本条例」である。

 

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2006年08月04日

地方議会が住民に認められるために

連日、地方議会改革をテーマに今日のひとことをお伝えしていますが、今日は町村議会事務局職員研修会に参加してきました。

なぜ、町村議会事務局研修会に区議会議員が?と思われるかもしれませんが、三位一体改革で一番自治体経営の手腕が問われているのが町村であり、町村議会はその危機感からかなり大胆な議会改革を進めています。

今日の研修会では栗山町議会の橋場利勝議長が議会基本条例について講演を行ったのですが、橋場議長の話の中には議会改革を進める上でのキーポイントが多く含まれていました。

まず、橋場議長は現在の地方議会について「地方議会は住民に見放されて存亡の危機にある。もしくは危機になりつつある。分権時代に地方議会の制度は制度自体が制度疲労を起こしている。」と話します。そのような背景から議会基本条例の制定の土壌も生まれてきたといえるのですがさらに、「住民に選ばれて一番近くにいるはずの自治体議員が実は一番住民から遠いという問題を感じ、議会への町民参加を進めるためにまずは徹底した情報公開と透明性を担保する改革をすすめた」といいます。

そしてその情報公開は2つあるといい、それは「議会の会議・文書の公開」と「議会の活動の論点・争点をしっかりと公開する」という議会の議論の経過と議会が取り組む課題のわかりやすさの2つだといいます。

さらに町民に議会を身近に感じてもらうために議員自らが率先して活動もしています。たとえば一般質問の質問内容などを書いたチラシを作成し、栗山町議員1人あたり30枚を議員自らが公共施設や人が集まる施設などに張りに行ってもいます。

橋場議長の話を聞いていると小さな町だからというレベルの議論ではなく町民とともに歩む地方議会を目指す活動には、同じ地方自治体の議員としてここまで違うものかと正直なところ自分の未熟さを痛感したところです。(栗山町議会議員の議員報酬は月額19万6千円)

橋場議長の「小さい町だからできるということではない。大きいところでもできる。議会というのは質問の場ではなく合議体。最初から賛成、反対が決まっている議員がいても、その賛成・反対の経過・プロセス、決まる過程が市民に見えることが重要」という言葉は、結果はどうせ決まっていると公開の場で活発な議論をせず裏で話をまとめる政治手法に対しての厳しいメッセージであるとともに、変わっていくために必要な道しるべであると思います。

いずれにしても、ただ指をくわえて他の自治体は羨ましいと嘆いているのではなく、まずは自分から行動を起こすことその大事さを橋場議長から教えてもらったような気がしています。

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2006年08月03日

投票の際の基準は?

地方分権が進むと同時に地方議会の役割も大きくなってきます。そうした中で地方議会に求められれているのが地方議会への市民参加です。

今日は全国市議会議長会が主催した研究フォーラムに参加したのですが、フォーラムのタイトルは「地方議会と市民参加」というもので市議会議長会が主催するフォーラムで市民参加が取り上げられるというのは本当に時代が動き始めているのだと感じさせるものです。

さて、フォーラムの中では分権時代は政治家を選ぶ有権者も責任を取る時代だという話がありました。先月北海道の夕張市が破綻したのは記憶に新しいですが、選挙で選んだ政治家次第では最終的な負担は住民に転嫁されるという意味でもあります。いうなれば選んだ責任を問われる時代ということなのだと思いますがその話の中で面白いたとえがありました。

国の借金を一人当たりの負担額とするとおよそ800万円になります。そしてたとえば800万円の車を買うとすれば、その性能やメリット・デメリットなどを詳細に何度も調べたり比較したりして購入するのが普通です。しかし、昨年の総選挙の際に800万円の買い物をすると考えて政策を詳細に何度も調べたり比べたりして投票する人がいたのかという比喩を使った話でした。

このたとえ話はひとつの比喩ですが、しっかりと選んで投票しなければ確実に負担が帰ってくる時代が分権時代のひとつの形であることを示しているといえます。

選挙の際には公約を数値でしめすマニフェストのようなものを示す候補者もいれば、キャッチコピーのみを示す候補者もいます。このマニフェスト的な公約は比較しやすくその点で言えば有権者が投票の際に選択する基準も徐々にですが示され始めているといいえます。

このことから、分権時代は政治家や候補者がしっかりと政策を示し、有権者がその政策を比較して投票できるようになることが必要不可欠となりますが、同時にわかりやすく具体的な政策を示すという難しい作業が必要になることから議員や議員を目指す人に求められている能力というのがどんどん高いものなっていくのが分権時代なのでもあるとフォーラムを聞いていて感じたところです。

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2006年08月02日

議員が好きだから改革ができる

これまで何度かお伝えしている「議会基本条例」(過去の記事はコチラ)ですが、今日は北海道栗山町議会で議会基本条例の成立の鍵となったともいえる中尾議会事務局長と意見交換をしてきました。

栗山町の議会基本条例の最大のポイントは議会の活性化ということが挙げられますが、この議会の活性化とは何を持って「議会の活性化」というのかを明確にしなければならずそのための条例だともいえます。たとえば議会内で議員同士の自由討議を行うことや議員の質問に対し市長等が反問権を行使できるなど議論を活発化する仕組みもそのひとつでしかありません。栗山町の議会基本条例の最大の狙いは議会主催の議会報告会や陳情・請願審議への町民参加、町民や団体との意見交換のための一般会議(公開)などの「議会への町民参加」の仕組みだといえます。

また、町民参加を促すために町内のほぼすべての公共施設で議会中継を見れるようにしインターネットやケーブルテレビなどでも放送しています。これは町民参加を促すためにはまずは「議会は何をやっているのか」というのをすべて透明にする必要があったからだといいいます。

そうした議会の情報公開を進めていった結果の集大成が議会基本条例だといえるのかもしれません。

では、なぜ議会への町民参加が必要だったのかというと「昔と違い個別の問題などについては議員より町民のほうがはるかに専門的な知識を持っていることがたくさんある。その力を活かさないのはもったいない。議員も選挙で町民から白紙委任を受けたと受け取らず積極的に町民の知識と経験を政治に取り入れるべきでその仕組みを作りたかった」という背景があったようです。

実際の条例制定のプロセスでは「議員間の自由討議など非公開の場でも良いのではないか」という議論もあったようですが、その際は議会が出した結論がどのように導き出されたかのプロセスがわからなければ、その結論に対し納得は得られないと説明責任の明確化という意味も含めてすべて公開となったようです。

その他にも特筆すべきところは多々あるのですが、やはり栗山町の議会基本条例の制定の背景には議長の改革へのリーダーシップと、議会事務局長の議会改革への思いが大きなポイントだったといえます。

議会事務局というのは議会改革の際には必ずその必要性を指摘されているのですが、問題はあくまでも役所の職員が配属として議会事務局の仕事をしていることから、異動で議会事務局から役所に戻ることを考えれば、役所を困らせるようなことはせずに穏便に議会進行をしていくということをしがちになってしまいます。これは組織論的にしょうがないことだといえます。ですが、中尾局長は議会のことは議会で決めるという方針であり、その点に関しては役所にも口は出させないということを徹底しています。これは議会改革を進める上で大きなことだと言えます。

そしてなぜ議会改革に力を入れるのかという問いに対しては「何かを成し遂げようと希望を持ち活動する議員が好きであり、議員を信じているから」と語ってくれました。

いずれにしても、議会改革というのは議員だけではなく議会事務局も一体とならなければできないと感じたところですが、議会事務局がやりがいをもって望める職場とすることことがまずは練馬区議会の改革の一歩なのかもしれません。

もうひとつ、栗山町では小中学校全校で議会中継が見れるようになっているのですが、教育の場でどのように議会放送が活用されているのか、その点も今後調べていこうと思います。

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2006年06月16日

地方分権の議論で忘れられているもの

今日は地方分権等調査特別委員会が行われました。この委員会は地方分権に関する事項を調査研究することを目的に設置されている委員会なのですが、市町村とちがい東京23区という特殊な自治体には全国的な地方分権の議論が直接当てはまらないため議論の盛り上がりに欠ける委員会といえます。

そんな中今日は、地方六団体が国に提出した「地方分権に関する意見書」の内容が報告されました。しかし、いつもこの報告というのを聞いていて思うのですが、「地方分権に関する意見書」は6月7日には提出されているもので、当然議員ならば自主的に読んでいて当たり前だと思うのですが、実際は役所に教えてもらうまでは読んでいないと思われるような内容の質問しか行われません。

しかし、地方分権の中で議会に関する内容も多くあることから、議論するべきポイントは分権時代の地方議会の運営についてだと思うのです。これまで何度もお伝えしてきていますが、議会運営に関わる改革の議論は練馬区議会ではまったくと言っていいほど行われていません。ですが、来年から法律も変わることから本来ならば法律の変更を受けた議会運営をどのようにするかを話し合う必要があるのです。

議会改革に後ろ向きな練馬区議会で議論するのは難しいのかもしれませんが、ただ指をくわえて、不満ばかり言っていても始まりません。だからこそ今年は公式の場での議会改革を議論する場を是が非でも設置するべく取り組んでいかねばならないと思っているところです。

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2006年05月31日

自治法が改正され議会改革は進むか?

今日、国会で地方自治法の一部を改正する法律が成立しました。今回の改正では地方議会に関する事項も4つほどありその中で議長の権限が拡充されたことをすこし考えてみました。

今回の法律改正では議長への臨時会の招集権の付与されています。自治法第101条では議会の招集権は首長とされており議長には認められていません。今回の自治法改正では、議会側が必要と認めるときには議長に臨時会のみ招集権限が付与されました。しかし、ここには課題も多く、なぜなら自治法103条2項では議長の任期は議員の任期とされていることから4年となっている一方で、全国市議会議長会の調査によると全国701市における議長の任期は、1年未満が91市(13.2%)、1年から2年が312市(45.4%)、2年から3年が206市(30.0%)、3年から4年が13市(1.8%)、法定任期である4年は64市(9.3%)となっているからです。(全国市議会議長会、2005)。議長の進退は一度議長に当選した者は本人の辞職(自治法108条)によるほかは、議員である間は議長の職にあるとされている。仮に議長の不信任議決が成立しても議決に法的効果はなく議長の任期を中断することはできません(町議会議長報酬請求事件 最判昭和62年4月21日)。

しかし、現実は上記調査結果からも短期間で議長の交代が繰り返されている。その背景には議長の任期についてあらかじめ議会内で何年で自ら辞職するといった申し合わせを行っている例も多く、同調査でも議長について何かしらの申し合わせを行っている議会は357市とおよそ調査した自治体の半数で申し合わせが行われています。議長は議会を円滑に運営するための秩序保持権、開議の宣告や議事日程の決定、発言許可や採決方法等、議事を順序よく運ぶためのすべての権限、議会運営の事務を担う議会事務局長、書記長、書記その他の職員についての任免権すなわち事務統利権など大きな権限を持つ議会の代表といえます。そのことから臨時会の小集権の付与も重要なことであることには違いありませんが実質的に議長の役割を強化するためには議長の位置づけをしっかりと自治法に明記することが必要不可欠であるといえます。

実際に練馬区議会の議長の任期をみると一年で必ず交代しています。申し合わせではそのようなルールは練馬区議会にはありませんが慣例として交代が繰り返されているといえます。そのような議長の任期に関しても議会自らで改革できることであり、今後改革していかねばならない問題点のひとつです。

参考に議長は議会の代表でもあり権限も大きい一方で報酬も議員の約1.5倍(練馬区)となります(自治体によりまちまち)。


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2006年04月21日

自治基本条例は練馬区に本当に必要なのか・・・・

地方分権等調査特別委員会が開かれました。

議題は今国会で審議されている地方自治法の一部を改正する法律についてと、仮称練馬区自治基本条例についての2点となりましたが、この特別委員会というあり方は出席するたびに疑問を感じてなりません。

なぜならば、まず今回の自治法の改正については議会の権限拡充などが盛り込まれているのですが、その趣旨を理事者に議員が説明を受けて質問するというのは、どうにもおかしいと思わざるをえないからです。議会を構成する議員がその議会に対する法律すら理事者に教えてもらわなくてはならないのであれば、議会もしくは議員とは何のためにあるのかということになりかねません。そして、今回理事者が説明した内容程度のものであれば新聞や専門誌などで詳しく報道されており、議員ならば知っていて当たり前と私は思うのです。そのことから地方自治法の改正により今後の練馬区議会の運営をどう改革していくのかそれこそが議論をされるべきだと思うのです。

また、仮称自治基本条例についてでは、いくつか質問がでていましたが、理事者の答えの中に自治基本条例はこれまでの新行政改革プランに策定が位置づけられており、新行政改革プランの集大成であることから計画終了の18年度に策定したいという答弁がありました。

これまで区民懇談会などを開催し進めてきている自治基本条例ですが、実際は傍聴者も少なく盛り上がりに欠けていることは否めません。そして自治基本条例の性格上本当に区民とともに練馬区の自治を考え策定していくのでなければ、その実効性や意義に疑問が出てきます。自治基本条例にとって何よりも大切なのは区民とともに自治の形を定義し策定していくことであり、その策定プロセスそのものが自治基本条例の性格そのものだといえるからです。

そのことから、盛り上がりに欠け、策定予定の期限がきたから、とりあえず形だけ作りましょうということになればそれは自治基本条例という名に値しないといえるのではないでしょうか。

この自治基本条例について練馬区議会ではほとんど議論がなされてきていません。そして、丁寧な報告が議会に行われていないと指摘する声も議会で出ていたりします。しかし、文京区や四日市市など先行して自治基本条例に取り組んでいる自治体の議会では議会自らが検討委員会等を設置して住民とも議論を進めるなど議会が主体的に積極的にかかわっている自治体もあります。

情報が丁寧に提供されなければ議論できない議会というのが特別委員会に出席していて常に感じることですが、自治基本条例の前に議会改革というのが必要なのが練馬区なのではと思えてなりません。

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2006年02月15日

指定管理者の導入体制の違い

今年の4月からは多くの自治体で公の施設の運営を指定管理者によってスタートすることになりそうですが、江戸川区では指定管理者に選ばれた団体に対し「公の施設」の役割や行政サービスの仕組みなどを数回にわたる研修を実施するようです。

なぜ、このような研修が必要かというと「公の施設」というのは民間が運営している施設とは異なり、住民の福祉の増進に寄与することを目的とする施設であると同時に公共施設であることから、民間の施設のように運営者が施設運営上好ましいと考え実施することでも、「公の施設」ゆえに法令上できないことが山ほどあります。

そのことを理解しないで、公の施設の運営をはじめるということは、後に住民訴訟などのリスクを負うことにもなりかねず、指定管理者となる団体には公の施設の性格を正しく認識しておく必要があり、今回江戸川区が指定管理者に実施する研修は、指定管理者制度を導入する行政にとっても必要な責務だといえるものです。

しかしながら、実際に指定管理者に合同で江戸川区のような研修を義務付けている自治体は数少ないのが現状で、練馬区でも指定管理者専用の団体研修というのはまだありません。

そのことから江戸川区が行う研修のプログラムなどを今後調べてみたいと思っているところですが、身近に使っている公の施設(公共施設)というのは、一般的に考えれば「なぜできないの?」ということが法律上なかなか簡単にできないようになっているということは、一般的にはあまり知られていないのが公の施設の運営の難しいところでもあるようです。

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2005年12月09日

地方分権によるあらたな動き

昨日の今日のひとことでは地方分権=自治体間格差時代といえることをお伝えしましたが、自治体が他の自治体との違いを出すためには政策を実行する財源の違いも出てきます。それはすべての自治体が同じ額の財源のなかで行政サービスの違いを出すにしても、一つの財布で行うかぎり高齢者福祉に財源を集中すれば他の政策の財源は少なくなります。そのことから幅の広い政策を充実させるためには新たな財源が必要となるのですが、それはもう国に頼めばなんとなかると言った時代ではなく、自治体は住民の合意を得て独自に財源を確保しなければならないということにつながってきます。

その動きが自治体独自の課税といえます。秋田県では県民税に「子育て支援や義務教育の拡充など少子化対策を目的とした上乗せ課税」を検討しているようです。これは子育てや教育を充実させるための財源を新たに創設するわけですが、単純に見れば県民にとっては増税といえます。

しかし、分権時代というのは、多少税金は高くても子育てがしやすく教育も充実している自治体を選ぶのも選ばないのも住民の判断にゆだねられているといえます。そして秋田県のような独自課税は税の目的と支出がはっきりしているため単なる増税ではなく、使途が明確になっているという点で分かりやすい税といえます。

今回の例は秋田県という都道府県単位での事例ですが、練馬区のように68万人の人口を抱える大型自治体では単独で秋田県のような独自課税も可能だといえます。少子化対策や教育など未来への投資のための目的税もしくは新保険制度などは私は積極的に創設するべきであるとも考えています。そして選挙により住民がそれを可とするのならばそれは可能な時代になってきています。

これまでの政治は住民(有権者)に新たな負担を求めず、さらに政策を充実させるといった明らかに不可能なことを訴え繰り返してきました。その結果借金は膨大にふくらんでおり、結局は今をやり過ごすため単に借金を先送りして未来へ負担を押し付けていたといえます。そのことは将来への不安という大きな社会の不安定要因を生み出しています。

もちろん新たな課税を新設するときには、無駄な事業をやめ今ある財源での努力をするのは大前提となりますが、目的がはっきりとした税というのは負担と給付の関係が明確になり、収めた税金の使い道も目に見えてわかることから、望ましい方法の一つだと私は考えています。

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2005年11月07日

大成功?

昨日これまでお知らせしてきた「シンポジウム」が無事終了いたしました。あいにくの天気となりましたが、会場には学生から自治体職員、さまざまな世代や職業の方が多く参加され実りの多いシンポジウムとなりました。

さてシンポジウムを終え、新たに感じたことは、置かれている立場の違い(職業など)などにより知識の差があることから、幅広い内容を網羅するような形で行う場合には誰もが満足できる中身にすることの難しさです。例えば「当たり前に知っている」と思うことでも知らない人はいるわけで、それらの方々がお互い何かを得るための問題提起や情報発信のあり方はもっと研究せねばなりません。またそれらのことは選挙や行政においての情報発信にもいえる課題なのかもしれません。

何はともあれ今回のシンポジウムでは私自身にとってもいろいろな環境にいる人と何かを作り上げるときの難しさを知ることができるなど多くのことを学ぶことができました。そして、力をあわせ何かを伝えていくことの意義や楽しさというものの素晴らしさも改めて認識したところです。

情報が大量に溢れる社会となり、イメージだけで情報を真実だと鵜呑みしてしまうような事例も多く見られる昨今ですが、情報発信者が結論付けた一方的な情報ではなく「考える材料」を提示していくことこそが住民自治など自立した社会の実現に向けて必要な情報発信の心構えではないかとも感じています。ですが、そのような環境とは程遠い状況にある行政や議会の情報発信に対する意識改革をまずは実践していかねばなりません。

悪天候の中、参加していただいた皆様には改めて御礼を申し上げます。

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2005年11月05日

いよいよ明日開催です

これまで何度かお知らせしてきた、「地方政治について考える」ことをテーマにしたシンポジウムが明日開催されます。このシンポジウムは企画から準備まで学生・社会人・自治体職員・議員など様々な立場の人たちが力をあわせ協働して実現したものです。

企画内容には、私の地方政治への思いももちろんこめられています。皆さんの忙しい日々だと思いますが、練馬区というまちが今後どうしたら変われるのか。そして変わるためには一人ひとりは何ができるのかのヒントが必ず得られると思います。入場無料で当日参加も受け付けていますのでご参加できる方は是非足を運んでいただければと思います。

シンポジウム :あなたのまちは何色ですか? ~地方政治についてちょっと考えてみる4時間~
11月6日(日)13:00-17:00、先着200名、明治大学(御茶ノ水)、入場無料

 あなたのまちは何色ですか? 地方分権の時代。 各地がそれぞれに
特色をもつためのキーワードを、北川正恭さん(前三重県知事、早稲田大学
大学院公共経営研究科教授)を初めとしたパネリストの方々からお話いただきます。

 入場無料で当日受付がありますが、事前にお申し込みをいただきますと
最前列から優先的にお座りいただけます。

+〈ちほーせいじ〉の今を見てみる第1部+ (50分)
 住民・議員・公務員の本音って?
 民間シンクタンク研究員、元自治体職員のわかりやすいトークを通じて、
市民、行政(役所)、政治(首長・議会)の3つの立場で生じている、
現状のお互いの無関心や認識のギャップを浮き彫りにします。

【パネリスト】
・西尾真治さん(UFJ総合研究所 経済・社会政策部プロジェクトリーダー)
・緑川輝彦さん(元鴻巣市役所 議会事務局長)
 他、街角の市民の方々や、自治体職員の声を映像でご紹介します!
【司会】
・山本悠樹(明治大学院公共政策大学院ガバナンス研究科1年)

+何気にカッコイイ政治についての第2部+ (60分)
 地方政治の将来の方向性を考えます。キーワードが次々に!!

【基調講演】 「ローカル・マニフェスト、ローカル・パーティとは」
北川正恭さん(早稲田大学大学院公共経営研究科教授)

+ちょっと考えてみる第3部+ (80分)
 あなたの疑問・質問と、パネラーたちのディスカッション。
 神戸・大阪・名古屋からも若手の改革派地方議員が集いました。
疑問・質問は会場から携帯メールでできます(テレゴング)。 
市民、行政、議会の3つの立場から、地方政治をより良く進める
には?を考えます。

【パネリスト】
井坂信彦さん(神戸市会議員)
のりたけ勅仁さん(名古屋市会議員)
西尾真治さん(UFJ総合研究所 経済・社会政策部プロジェクトリーダー)
緑川輝彦さん(元鴻巣市役所 議会事務局長)
【ビデオインタビュー】
・江原顕さん(横浜市役所職員、庁内アントレプレナーシップ事業の
 ENJOYプロジェクト、公民起業家)
【司会】
・田辺大(ローカル・マニフェスト推進ネットワーク関東ブロック)


【総合司会】:鎌田麗香(明治大学文学部2年)

*主催 明治大学公共政策大学院学生有志 & team「ぱれっと」
*共催 ローカル・マニフェスト推進ネットワーク関東ブロック
     NPO法人I-CAS
*日時 2005年11月6日(日) 13:00~17:00
     (入場無料・当日参加歓迎、事前予約可)
*会場・地図 明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン 2階
*お問合せ 
・メール: sympo_naniiro@yahoo.co.jp

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2005年11月01日

特別区のこれから

東京23区は全国の市町村と違い23区で財源を分け合うなどその名の通り特別な存在となっています。分権時代を迎えて市町村では権限の委譲が進むと同時に交付金削減という難題を創意工夫で乗り切ろうとしていますが、東京23区は潤沢な法人税収入を23区内で分け合うと言う守られた世界にいるため、市町村の危機感からは遠い存在であると言えます。

一方で特別区というのは特別地方公共団体といい、市町村に認められている自治体としての権限も中途半端な状態であると言えます。そのことから特別区が普通地方公共団体、いわゆる普通の自治体になるのは悲願であるわけですが、悲願を達成するためには23区で一体となった潤沢な財源を守り通すことは難しいともいえます。

そんななか。特別区の将来のあり方を検討している「特別区制度調査会」が「東京における新たな自治制度を目指して」」という報告書を発表しました。

報告書では特別区のあり方について二つの提言をしているのが特徴で、一つは特別区と言う存在から普通の「市」と同じ自治体に移行すること、二つ目は東京23区の上に23区を一体的に運営する新たな「市」を作りその下で23区として生き残っていくことが提案されています。

いずれの案も普通の自治体になるための提案といえますが、23区と言っても千代田区や新宿区のように単独でも税収が豊かな区と練馬区のように23区の枠外に出て「市」の要件を当てはめたら赤字団体に転落する可能性高い区とでは状況がまったく異なります。

そのことから、練馬区は普通の「市」になっても生き残っていける体力をつけるために、大きな政策の転換や長期的なビジョンによるまちづくりが不可欠なわけですが、未だに23区としてこれまでの枠組みが守られると思っている人も多くいるようです。

また、特別区と「市」の違いと言うのは普段の生活のなかで実感しづらい部分もあるかもしれませんが、練馬区のお隣の西東京市と練馬区の福祉サービスや公共施設の状態を見ればどれだけ23区が突出して裕福な自治体であるか良く分かります。

いずれにしても、いつどのような改革が起きても、乗り切れる体力を自治体として構築しておくのは必要不可欠なものであり、そのためには過剰とも言える行政サービスの見直しなどを常に行っていかなければ、いつか大きな付けが区民に回ってくることになってしまうかもしれません。

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2005年10月29日

【おしらせ】是非ご参加ください

11月6日(日)に明治大学にて公共政策大学院の有志や学生・社会人合同で企画した「地方政治について」のシンポジウムが開催されます。

基調講演では元三重県知事北川正恭氏がローカルパーティー・ローカルマニフェストを中心に分権時代の自治体像をお話ししてくれます。

またパネルディスカッションでは全国の地方議員や鴻巣市の元議会事務局長、UFJ総研の研究員の方などがこれからの自治体の可能性や協働の行方などについて本音の議論が行われます。
また、VTRでは横浜市のアントレプレナーシップで公民企業家として活躍している横浜市職員の江原顕さんのお話なども行われます。

入場も無料です。当日受付も可ですが事前予約でのこりの席が「40席」となっていますので参加ご希望のかたは是非ご予約していただければとおもいます。

予約申込先
sympo_naniiro@yahoo.co.jp
お名前・年代・職業(任意)のみメールに記載してください。

シンポジウムの企画には私も積極的に参加していますので、多くの皆様と一緒にこれからの地方自治を考えていければと思います。

詳しくは「コチラ」

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2005年10月23日

【おしらせ】是非ご参加ください

11月6日(日)に明治大学にて公共政策大学院の有志や学生・社会人合同で企画した「地方政治について」のシンポジウムが開催されます。

基調講演では元三重県知事北川正恭氏がローカルパーティー・ローカルマニフェストを中心に分権時代の自治体像をお話ししてくれます。

またパネルディスカッションでは全国の地方議員や鴻巣市の元議会事務局長、UFJ総研の西尾真治研究員などがこれからの自治体の可能性や協働の行方などについて本音の議論が行われます。
また、VTRでは横浜市のアントレプレナーシップで公民企業家として活躍している江原顕さんのお話なども行われます。

会場からはパネルディスカッション中にメールを利用して常に質問や感想が送れる新しい会場参加型の仕組みも行われる予定であり、入場も無料です。当日受付も可ですが事前予約でのこりの席が「半分以下」となっていますので参加ご希望のかたは是非ご予約ください。

シンポジウムでは私も企画に参加していますので、多くの皆様と一緒にこれからの地方自治を考えていければと思います。

詳しくは「コチラ」

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2005年10月01日

【おしらせ】

11月6日(日)に明治大学にて公共政策大学院の有志や学生・社会人合同で企画した「地方政治について」のシンポジウムが開催されます。

基調講演では元三重県知事北川正恭氏がローカルパーティー・ローカルマニフェストを中心に分権時代の自治体像をお話ししてくれます。

またパネルディスカッションでは全国の地方議員や鴻巣市の元議会事務局長、UFJ総研の西尾真治研究員などがこれからの自治体の可能性や協働の行方などについて本音の議論が行われます。

会場からはパネルディスカッション中にメールを利用して常に質問や感想が送れる新しい会場参加型の仕組みも行われる予定であり、入場も無料となっています。

シンポジウムでは私も企画に参加しています。お時間のある方や興味のある方は是非参加してください。

詳しくは「コチラ」

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2005年08月25日

地方自治を知るものが国政へ

「刺客」や「新党」乱立など、内容はともかく関心が高い今回の衆議院選挙ですが、メディアで注目されている候補予定者ではなくとも注目する候補予定者がいます。

それは地方自治体の現役の首長ですでに、岡山市長、武蔵野市長、ニセコ町長の名前が挙がっています。国が進める「地方分権」が地方の望みとかけ離れている現状からすると、地方が本当に必要としている分権の内容を熟知している現役の首長が国政の舞台に立つことは「分権改革」を進めていく上では大きな前進といえます。

これまで地方自治体の首長というと「国会議員が辞めて首長」になるというパターンが多くありました。それは国への強いパイプを持っているということで地方から国へのお願い行政を有利に進められるといった背景があったといえます。しかし、中央依存のそのような地方自治から地方の自立の時代を迎えるにあたり地方自治を体現してきいる「現役の首長が国政へ」という流れは地方の自立を進めると共にそれだけ「地方」が力をつけてきたと見ることが出来るかもしれません。

郵政民営化や社会保障が主な争点になりそうな総選挙ですが、地方分権の行方にも大きな影響を与える選挙となりそうです。

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2005年08月19日

国会議員と地方分権

いよいよ主要政党のマニフェストも出揃い本格的な選挙戦に突入し始めました。しかし、個別候補者の声などを聞くと立候補する地域を良くしたい、地域のためにといった主張をよく耳にします。これらの主張は国会議員の役割を考える上では非常に重要な問題であり、有権者も見極める必要があります。

その理由として、国会議員が地域のためにできることとされる主なものは国から公共事業を地域に持ってくることでありこれは「中央集権型」の政治構造そのものだといえます。一方で地方分権が進むと地域の政治に対する国の関与が薄まるため国会議員が地域の政治に関与することは難しくなります。地方分権に反対するもしくは慎重な国会議員の多くは、地方分権が進むことでそのような「利権」がなくなることを恐れているからといえます。

以上のことからいえば、「国会議員は国民のため」「都道府県議員は都道府県民のため」「市議会議員は市民のため」という役割分担が明確にされるべきであり、今回の選挙は国会議員を選択する選挙であることからも地域のことではなく、国全体に関わる社会保障などを誰に任せるかを選ぶ選挙だといえます。

一方で地域の発展などの政治への期待は地方議員の選挙の際の争点になるといえます。しかしながら自治法すら理解できていない名誉職的な地方議員の位置づけは未だ根強く、その点では地方議員の力量をあげていくことも必要になります。

そのことからも今後は国会議員の役割、地方議員の役割を明確にすることで、仕事の違いがはっきり浮き彫りになり地方議員が国会議員へのステップと言われることもなくなることが望ましいといえます。

いずれにしても今回の選挙戦では落下傘候補への批判などが相次いでいますが、落下傘か地元かという感情論での選択ではなく、住んでいる地域やその他の地域を思い浮かべ国全体の方向を任せる候補かどうかという視点を取り入れることで、本質を見極めた選択ができるヒントになるのではないでしょうか。

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2005年08月11日

進む自治体の差別化

地方分権が進み自治体の自由度が増すことで行政サービスの質が変わると言われていますが、もう一つの重要なポイントは自治体によって行政サービスの内容が異なってくることです。

これは、これまで横並び的にどこの自治体でも全国画一的な行政サービスを受けられるといった形から、自治体によっては保育が充実して子育てがしやすい自治体、バリアフリーが進んでいる自治体、市民への反応が早い自治体などなど自治体ごとに目指す個性が際立ってくるとも言えます。

実際に子育て施策をみると、学童クラブの料金が無料の渋谷区から5500円の練馬区、1万円を超える所沢市などまったく異なったサービスになっています。そして、このことは生活の拠点を構える上で重要な点であり、保育が充実していない自治体では保育関係の出費がかさむので、家賃が高くても保育が充実した自治体を選ぶことで生活コストを下げるという選択をしながら生活拠点を選ぶ人も増えているといえます。

そんな中インターネットでも自治体の福祉や教育、まちづくりなど様々な観点から自治体の行政サービスを簡単に比較できる「生活ガイド.com」というホームページも誕生しています。

市民に選ばれる自治体になるかならないかでは、税収という点で大きな差を生むことになり、今後は人気のある自治体とそうでない自治体では税収格差の広がりから行政サービスの格差にもつながっていくといえます。そして、どのような自治体になっていくのかの舵取りを行うのは政治であり、そして政治のリーダー(市長)を選挙で選ぶのは市民であり、そのことからも今後は市民の選挙への責任も増してくるといえます。

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2005年08月10日

地方議会の政策提案の実情 4

第4回 分権時代の地方議会

分権時代に地方議会が果たす役割が大きくなることは間違いない。そして、地方議会の活性化を促進するためには議会事務局のあり方や議決事項の制限列挙の緩和などの措置や法改正が必要なことも間違いないが、これまで見てきたように現状の制度を有効活用することでも地方議会を活性化させることが十分可能なことは明らかである。いうなれば地方議会が活性化するかしないかは議会を構成する議員の意識・意欲次第だということができる。

しかし、現状の地方議会を見ると議員の議会改革への意識や意欲が高いとは決していえない。それは議員一人ひとりの意識の問題でもあり、まずは議員自らが政策学習と知識の吸収に努める必要がある。そのために「政務調査費」という経費も認められている。しかしながら国会議員と違い地域住民と普段から密接に関わる地方議員が政策学習を行えるようになるためには、地域への利益誘導や個人への特定のお願い事などの要望を議員が聞き行政への橋渡しをするといういわゆる「ドブ板」的な活動を認めない体制整備も必要である。これは住民が一番身近な自治体行政のサービスというのはとかく個人に対する給付サービスや個人の財産に関わる施策などが多くあり地域住民と密接に関わる地方議員は、支持者の要望を聞いて回らなければ選挙で当選できないという強迫観念から立法活動などは後回しに御用聞きを第一にと活動する議員が増える原因でもある。このことは個別の要望を実現するために執行権を持つ首長に対しお願いをすることにもなり、議員は要望を実現するための代償として議会での厳しい質問を行わず、首長は行政運営をスムーズに行うために議員の要望を聞くという行政と議会の馴れ合いの構図を生み出す大きな原因となっている。
 
だが、新宿区議会では議会自らが有識者や区民を公募し議会改革をテーマに懇談会を設置し市民と共に議会改革を模索し、昨年10月には、議員の不正な影響力の行使や地位を利用した圧力などのいわゆる「口利き」等の禁止を盛り込んだ「区議会議員政治倫理条例」の制定が懇談会の答申としてまとめられ、2005年6月の第二回定例会で議員提出議案として「新宿区議会議員政治倫理条例」が全会一致で可決成立した。議会が主体的に市民と共に議会や議員のあり方を検討したプロセスは協働時代の地方議会を模索する上で大いに参考となる事例である。
 
以上のことから地方分権の時代に地方議会が真の役割を果たす機関に生まれ変わるには国の制度改正を待つのではなく現状の制度を積極的に活用していくことで十分乗り越えられる。そして、市民に信頼され開かれた議会となるためには、議会運営のルールづくりを一部のベテラン議員による「代表者会議」などの非公開の場で行うのではなく、市民を巻き込み公開の場で議論し構築していく必要がある。そのプロセスは一般的に理解されにくい地方議会の役割を市民が新たに学ぶ場となり、地方議会を改革するうえでの大きな効果を生み出すことが期待できる。
 
地方議会が市民に信頼され行政をチェックする真の機関と生まれ変わることができるのか。それは国の制度改正などを待つまでもなく地方議員と市民が議員の仕事、議会の仕事とは何かを議論しそのうえで議会運営のルールを構築していくことで開かれた地方議会を実現することは可能である。協働の時代の新たな政治の形を作る主役は議員一人ひとりそして市民であり、そのような時代に今突入しつつある。

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2005年08月09日

地方議会の政策提案の実情 3

第三回 本会議・委員会等の運営
 
 地方議会の運営ルールを地方議会ごとに構築できることが明らかになったが、実際の地方議会の運営にはどのように反映されているのだろうか。地方議会の役割といえば予算・決算や条例などの審査である。そして審査を行うのは本会議もしくは常任・特別委員会(以下、「委員会」)であることから本会議や委員会の運営方法が議会の活性化には欠かせないものになる。だが、本会議は事前に準備した原稿を読むだけのセレモニーと化しているとの批判も多く、委員会についても同じような状況であるといえる。しかし、地方議会ごとの本会議や委員会の運営方法を比較してみるとその運営方法には大きな違いを見て取ることができる。
 
 そこで、本会議の運営方法を比較してみる。大半の地方議会の本会議では、一般質問は議員と首長とが対面せずに行われるいわゆる登壇式という形で行われ、質問に対する受け答えも質問者である議員が質問内容を一括して行い、それに首長等が一括して答えるという一括質問一括答弁方式が取られている。この一括質問一括答弁方式というのは、議員が質問内容を事前に通告し、首長側は事前に通告のあった質問に対し事前に答弁を用意できることから、議論に緊張感はなく、セレモニー化を助長する原因のひとつにもなっている。また、一括質問一括答弁方式では、問いに対する答えが直接結びつかないので、議員が質問した項目すべてを充分に理解することも難しいといえる。しかもその答弁に基づいて2回目、3回目の質問をすることは簡単ではない。ましてや傍聴している市民にとっては質問。答弁をとても充分に理解することはできない(加藤、2004:143)。との指摘もあり、行政機関をチェックする充分な議論が行える最善の仕組みということはできない。だが、この一括質問一括答弁方式というのは法律で決まっている制度ではない。東京の多摩地域の26市の質問方式を見てみると一括質問一括答弁方式が多いとはいえ日野市、国分寺市、清瀬市、武蔵村山市、稲城市、多摩市、西東京市の7市で一問一答方式の一般質問が行われている(小金井市議会、2003)。ひとつの問いに対し直ちに答える一問一答方式は傍聴者にもわかりやすく議論も活発になるため、地方議会の活性化には欠かせない質問方式であり議会独自の判断で実施できることから早急な導入が望まれる方式である。また、一問一答方式の導入については議員と首長が対面で行う方式になることから登壇式の質問方法を取っている議会では議場の改築コストがかかるという理由がまことしやかに言われることがあるが、武蔵野市、三鷹市、府中市、国分寺市、多摩市など多摩地域の26市中17市が最初の質問のみ登壇して行い二度目(再質問)の質問からは自席で行い対面方式としている議会もある(小金井市議会、2003)。このことから議場の改築コストが一問一答方式の導入の足かせになっているとはいうことはできない。

 次に本会議で問題となるのは議員の質問する機会についてである。地方議会の議員定数は自治体の規模により異なるため、議員定数が多い自治体では限られた会議時間を有効に活用するという名目で議員に質問回数の制限や質問時間の制限が申し合わせにより設けられていることが多くある。たとえば練馬区議会では本会議での一般質問は年度ごとに議員一人一回、25分と決められており、それ以上の質問をすることはできない。しかし、杉並区では定例会ごとに質問を行う事前通告さえ行えば議員は定例会ごとに自由に一般質問を行うことができ、時間制限もない。他の区や市の状況を見ても会派の人数により質問の持ち時間の大小はある議会が多いが、足立区のように会派ごとに与えられた質問時間内であれば人数制限を行っていないところや、多摩市のように会期中の質問者の人数によって質問の持ち時間が変わる議会もある。議員が本会議で質問をすることは議員の職務を果たすためには欠かせないものであることからも、議会日程を優先し議員の質問する機会を制限することは議会制民主主義そのものを否定しかねない深刻な問題である。

 次に委員会を見てみる。自治法では「議員は、それぞれ1箇の常任委員となる」(自治法109条2項)との定めがある。このことからすべての議員は必ず常任委員会に所属することになる。常任委員会では各常任委員会が所管する内容の議案や請願・陳情の実質的な審議が行われ、本会議と異なり議員と行政側が一問一答で議論を行うことから事実上の審議の場であるといえる。しかし、この委員会の運営にも大きな課題がある。委員会で実のある議論を行うためには委員会でどのような内容の議題が審議されるのかはもとより、議題に関する資料などがあらかじめ委員の手元に配布されていなければ、委員会当日に議題が示され審議をするといっても事前の調査や研究を行うことができないため専門的な実のある審議を行うのは無理がある。だが、実際の委員会運営では上記のような事柄が多々起きている。実際に東京23区でみると委員会の資料を事前に配布しているのは文京区や品川区など11区にとどまり、練馬区や江東区など12区は「議員からの要望がない」「事前に資料をすべてそろえるのは困難」等の理由で当日配布となっている。また、当日配布の11区を見てみても港区のように1週間前に配布するところもあれば、大田区のように請求があった議員にのみ前日に配布しているところもある。活発な議論を行うためには議題に対する事前の調査・研究が欠かせないことから資料の事前配布を行うことは必要不可欠である。一方で開かれた議会という意味では市民が傍聴しやすい環境を作ることも不可欠である。しかし、委員会の傍聴者に対し議論している議題の資料の閲覧もしくは配布を認めている議会は23区中千代田区や文京区など5区にとどまり議題のみを閲覧もしくは配布しているのは11区で7区は傍聴者には一切の情報を提示していない。情報公開の観点からも傍聴者に資料の閲覧を認めることは直ちに行うべきであり、議会の透明性と説明責任という点からも早急に実現するべきである。いずれにしても地方議会の運営ルールは議会自らが構築できることから活性化しない理由は制度に問題があるのではなく議会の姿勢によるところが大きいといえる。

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2005年08月05日

地方議会の政策提案の実情 2

第二回 議案の審議状況と議員提出による条例案などの実情

議案提出要件が緩和され実際に地方議会は活性化されているのだろうか。全国市議会議長会が全国702市(23区含む)を対象に行った「市議会の活動に関する実態調査結果(調査期間、平成15年1月1日~12月31日)」を見ると市長提出による議案件数73,732件に対し、議員提出による議案の総数は11,087件で議案総数の86.9%が市長提出によるもので、議員提出の議案はわずか13.0%に留まっている。そして、議員提出による議案の内容の内訳は条例案が1012件、規則案が82件、意見書案が7212件、決議案が676件、その他が2105件となっており、直接当該自治体の行政運営に影響を与えない意見書の割合が高いことや、議会運営に関係する条例案など政策的対立を招きにくい内容のものが多いことが特徴的に現れている(全国市議会議長会、2005)。

次に議案の議決結果を見ると、市長提出による議案の議決結果は、原案可決が72,940件と市長提出の議案の98.9%を占め、修正可決は149件、否決は202件、継続審査が247件、審議未了が115件、撤回が79件となっている。議案の修正可決や否決が少ないことについては市長の行政運営が安定していると肯定的に捉えることもできるが、全議案に占める修正可決の割合が0.2%という結果を見ると議案の審査という議会の役割が十分に機能しているとは言いがたい(全国市議会議長会、2005)。
一方、議員提出による議案の議決結果は原案可決が9496件と提出議案総数の85.6%を占め、修正可決が15件、否決が1288件、継続審査が49件、審議未了・撤回。議決不要等が239件となっている。否決の割合が11.6%と市長提出議案の0.2%に比べ高いのは、議会の議員構成が多様化しているため、政治的対立の影響を受けやすいことが原因の一つとして考えられるが、議員提出議案のうち、「条例案」が1,012件と議員提出議案の1割にも達していないことから、議員個人または会派の法務能力の欠如はもとより、議会事務局の法務体制の欠如など議員が条例を提出するための十分な環境の整備がなされていないことも浮き彫りになっている(全国市議会議長会、2005)。

しかし、条例案の数が多ければ議会が活性化しているとはいえない。大切なのは条例案の中身である。実際に提出された条例案を見てみると議員定数や議員報酬、政務調査費、資産公開など議会や議員の身分に直接関わる条例案がほとんどであり、しかもそれらの条例案は議会事務局が立法過程のほとんどを行い、議員自らが立法することは極めて稀な趣旨の条例案である。全国市議会議長会の調査でも平成15年中に提出された議員提出による新規の政策的条例案はわずか64市80件とされている。だが、議員提出による新規の政策的条例案を見てみると「札幌市立小学校及び中学校の学級編成の基本に関する条例」「品川区区民参加条例」「戸田市みんなでつくる犯罪のない町条例」「裾野市議会の議決すべき事件以外の契約の透明性を高めるための条例」「東大阪市中小企業産業振興条例」など、ほとんどが否決されているとはいえ、議員提出による政策的条例案には地域の実情や政策課題の解決に向け議員自らが創意工夫を凝らし自治体のルールつくりをしようという姿勢が明確に条例案の中身から読み取ることができる(全国市議会議長会、2005)。

ここまで地方議会を活性化するために行われてきた国の制度改正や実際の地方議会での議員による議案提出の実情を見てきたが、地方議会の活性化を目指し行われてきた国の制度改正の効果が地方議会に現れているとはいえない。また、地方議員の政策立案能力を高めることを目的に制度化された「政務調査費」については、制度設計こそ各地方議会にゆだねられているものの、その使途を巡り全国で住民訴訟が相次ぎ提起されるなど議員の政策能力の向上という目的とは裏腹に住民の地方議会不信を招く結果となっている。しかし、「政務調査費」のように各地方議会が自ら制度設計を行えることは議会運営に関しても数多くある。現在の制度の中でどのような議会運営の制度設計をしていくかが各地方議会に問われているといえる。

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2005年08月03日

地方議会の政策提案の実情 1

平成の大合併をきっかけに誕生したマンモス議会は、議員の報酬や大幅な定数増などリストラと無縁な議会の行動に対し全国30ヵ所以上で議会の解散を求めるリコール運動が起こりました。

そして、その背景には地方議会「不要論」がくすぶっているといえますが、実際の地方議会の制度や現状はどのようなものなのか、シリーズで地方議会を考えてみたいと思います。

第一回 地方議会制度の現状

 国の唯一の立法機関である国会は議院内閣制であるが、地方の政治制度は国会とは異なり首長および議員を直接住民が選挙で選ぶ二元代表制を取っている。しかし、アメリカの大統領制を代表とする二元代表制と日本の二元代表性はその性格が若干異なっている。アメリカの大統領制の議会審議は、議員だけで審議するため大統領は審議には参加しない。一方、日本の地方政治制度では首長は審議に参加している。また日本の二元代表制の首長は強首長制とも言われ人事権・予算編成権・拒否権など行政運営上の重要事項のほぼすべての提案権が首長に与えられていると同時に首長には議会を解散する権限も認められている。以上のことから日本の二元代表性は首長の権限が圧倒的に強く(ストロングメイヤー)議会との関係においても首長優位の制度となっているといる。そのことから議員が自らの政策や住民からの陳情を実現するために首長を支える与党となる傾向が強くなるのも首長に権限が集中している一つの弊害ともいえるのかもしれない。

 しかし、地方分権により国から自治体に多くの権限が委譲され首長の権限が増大する中で、行政機関をチェックする機関である地方議会の役割はこれまで以上に重要なものとなる。そのことは1996年3月の地方分権推進委員会の「中間報告」の中でも『条例制定権の範囲が拡大し、自主課税権を行使する余地が広がることに伴い、地域住民の代表機関として地方公共団体の最終意思の決定に与かる地位にある地方議会と首長の責任は現在に比べ格段に重くなる。』と指摘されている。その後1998年5月に閣議決定された「地方分権推進計画」にも「地方議会の活性化」の項目が設けられ(1)議会の機能強化等として①臨時議会の招集要件、議員の議案提出要件等の緩和の検討、②議決事件の追加、③議会事務局の体制整備、職員の専門能力の向上、(2)議会の組織・構成として議員定数の見直し等、(3)議会の運営として議会審議の公開性の向上等が示されている。議会の活性化という観点から見れば拍子抜けの感じも否めないが、2000年4月の地方自治法(以下、「自治法」)改正により機関委任事務が廃止され自治体の条例制定権が拡充されると同時に、議員の議案提出要件が議員定数の8分の1以上の者の賛成から12分の1以上の者の賛成へ提出要件が緩和されたことは大きな成果の一つといえる。

 さらに、自治法の改正の約1カ月後には(1)政務調査費の制度化、(2)意見書の国会への提出、(3)常任委員会数の条例化。2002年3月には議員の委員会派遣に加え、新たに「議員派遣」の制度化。2004年5月には議会の定例会の回数の条例化などの改革が行われているが「地方議会の活性化」に直接結びつく制度改正といえるものは議案提出要件の緩和や意見書の国会への提出などごくわずかでしかないのが現状である。

次回は議員による議案提出等の現状を配信いたします。

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2005年05月27日

三位一体改革の影響

地方分権を進めるための三位一体改革が進む中、全国の自治体と国の間で権限と財源を巡るせめぎ合いが続いています。

しかし、東京23区は他の市町村と財源や権限の仕組みが違うため、これまでの三位一体改革では他の市町村に比べ影響が少なく、そのことから抜本的な行政改革への取り組みが遅れているといえます。

そんな中で三位一体改革の財源として「法人住民税」のフラット化という案が浮上しています。「法人住民税」は23区の財源である都区財政調整の原資ともいえるもので、全国の「法人住民税」の4分の1が東京に集中している税金です。

この「法人住民税」を全国でフラット化するということは23区の財源が減少するということに直結する問題で、三位一体改革の影響もいよいよ23区にも及んできたと言えます。

ですが、ここで考えなければいけないのは、財源が本当に厳しくなっている自治体の行政改革はドラスティックにそして住民とパートナーとして自治を行っていこうと言う改革が行われていることです。ある自治体の方は「尻に火がつかなければ改革は先送りされる。協働を進める上で良いチャンスかもしれない」と住民と共に問題意識を共有し改革を進められる利点もあると話しています。

東京23区は特殊な自治体として、全国でも類も見ない富裕自治体と言われています。そのことが危機感を薄め、未だ箱物を平然と作るような時代遅れの政策を進める背景になっているといえます。そのことから、どんな形であれ三位一体改革の影響が23区にきたことは今後の練馬区の自治を考える上でも望ましいのではないかと思うところです。

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2005年01月07日

こんなにも違うもの・・・

「議員に対する接し方がこんなに違うものなのかとびっくりしたよ・・・」
合併したある自治体の職員の方に合併後について聞いてみると、合併相手(自治体)の職員の議員に対する接し方を見て驚いたと言います。

なにをそんなに驚いたのかというと、話をしていただいた職員の方が所属していた自治体では議員に対してはYES,NOをはっきりと言っていたようで、議員、職員ともにお互いの職務を尊重する関係にあったといいます。一方、合併相手の自治体では、議員には「触らぬ神にたたりなし」といった腫れ物に触れるような対応で、慇懃すぎるほどの低姿勢で接していたといいます。そして合併後はどうなったのかというと、首長の方針といえるのかもしれませんが後者の対応が是とされているようで、話をしてくれた職員の方は上司がこびへつらう姿を見れば部下としては悲しい、とても憤慨していると言っていました。

さて練馬区を見てみると、どちらかというと後者の自治体に近い関係にあるように思います。そのことが良いことなのか悪いことなのかは、忙しい中資料を随時提供してもらえるというメリットもあれば、議員が裸の王様になりかねないというデメリットもあります。私としては議員と職員の関係にはきっちりと線を引き、切磋琢磨していくような関係が望ましいと思っています。

しかし、そうは言っても実情はなかなか難しいようで、議員に対し気を使う職員が出世する傾向はどこの自治体でもあり、このことを是正するためには議員側の意識改革が不可欠といえます。

以前ある先進自治体の方から「うちの自治体では職員の採用などに関することで議員から便宜のお願い事が来たときは、無条件でその受験者を不採用とすることになっている」と聞いたことがあります。当たり前のようなことですが、実際このような取組を行っている自治体は少ないと思われ、根本的に問題を解決するには議員の意識が変わるのを待っているより、圧力を行えなくするような制度を作ることが必要なのだと悲しいかな思ってしまうところです。

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2004年09月15日

所信表明に重要なキーワードが

今日から10月15日まで行われる第三回定例会が開会しました。

定例会初日の今日は区長による所信表明が行われましたがその中に今後の保育施策を巡る重要なキーワードが隠されています。
そのキーワードとは三位一体の改革による区への影響について触れているところで「本年度の本区への影響についてでありますが、国およびこれに連動する都の補助金が22億5千万円を超える大幅な減額となる一方、新たに国から交付されることになった所得譲与税が11億円の増と・・・」という部分です。

ここで重要なのは国およびこれに連動する都の補助金が何かということですが、これはほとんどが保育所運営費になります。簡単に言うと、これまでは国や都によって保育所運営費として使い道が決められていた補助金がなくなり、補助金と近い額を税源として委譲します。委譲された税源は一般財源という自由に使えるお金にカウントされますので、これまでのように保育所運営にのみ使う必要はなくなり、その他の事業にお金を回すことも可能になります。

そして、削減された補助金に対し同じ額のお金が生まれる税源が委譲されるかというと、これが少ないため効率化を進めなければならない状態になってきます。

練馬区では本年度については都区財政調整制度で足りない分を賄えることになっていますが、来年度以降についてはかなり不透明なのが実情です。

今後、国と地方の関係は劇的に変り始めますが、どのような権限と財源が地方に委譲されるのか。そして自由度を増した自治体はどのような自治体を作っていくのか。そのことからも今、明確な自治体ビジョンを示すことが政治に求められています。

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