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2006年07月14日

画期的な判決

今日、東京地裁で政務調査費に関する画期的な判決(判決文はコチラ)が出ました。

この裁判は、ある練馬区議がいくつかの会派の政務調査費の支出に対し裁判を起こしたものであり、私の会派に対しても行っていました。そして私自身が支出の当事者である公共政策大学院の学費についても「個人の学歴取得で違法」と訴えをおこしていました。

この問題に関しては、これまで何度も今日のひとことでもとりあげてきましたが、政策の企画立案、立法技術など高度技能を学ぶ場に政務調査費で通うことは、本来の政務調査費の制度目的になによりも合致したものだと考えています。ですが、訴えを起こした区議の訴状を見ると議会活動での活発な政策議論を行うための調査研究は軽視しているようで、額面での支出金額のみで判断しているようでした。ちなみにこの区議の政務調査費の支出を見ると自分の政治報告の印刷代がほとんどで、専門書の購入などほとんど見られないのが、政治に対する姿勢の表れだともいえます。

そのようなことから、この区議に対しては裁判で判決が出る前に私の会派の支出を不正支出だとしてビラなどで宣伝したことは風説の流布で名誉毀損にも当たる行為であり、今後はしっかりと裏を取り事実というものを確かめてから行ってもらいたいものです。

そのような中で判決では

1)地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の施行により、地方公共団体の自己決定権や自己責任が拡大し、その議会の担う役割がますます重要なものとなってきていることにかんがみ、議会の審議能力を強化し、議員の調査研究活動の基盤の充実を図るため、議会における会派又は議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化したものであると解されることからすると、この制度趣旨に合致する経費に該当する。

2)議員の調査研究活動の基盤の充実を図るという政務調査費の制度趣旨に合致するものである。

3)政務調査費として適法な支出か否かは、本件学費が政務調査費の制度趣旨に合致するかどうかによって判断するべきである。

であると今回の訴えを棄却し、政務調査費の使途として至極真っ当な支出であるとしています。
こうした判決が出たことは、全国で積極的に調査研究や政策立案・立法技術を身につけようとしている議員には朗報であり、地方議員の仕事を高度専門的な技術が必要である仕事であると認めているともいえます。そして私はこのような司法判断が出ることを期待してこの問題に取り組んでもいました。

いずれにしても、こうした画期的な判決が出たことは望ましいことで、政務調査費とは何のために税金から支出されているのかを改めて問う結果になったと思っています。


※政務調査費をめぐる問題についてのレポートを執筆しましたのでお時間のある方は是非一読ください。

地方議会の「政務調査費」に関する支出に関して全国で住民監査請求や住民訴訟が頻発している。そんな中、14日に東京地裁で練馬区議会での政務調査費の支出に関する画期的な内容を含む判決が出た。なお、当該裁判で争われた支出のひとつは私が当事者である。 
判決で注目しているのは会派の政策立案・立法能力を高めるため公共政策大学院に派遣した議員の学費が適法な支出かどうかの是非である。実際、会派内でも公共政策大学院への派遣に対する経費を政務調査費から支出することに対しては、監査請求もしくは住民訴訟になる恐れがあるとして否定的な意見もあった。しかし、政務調査費の制度の本来の目的は、地方公共団体の自己決定権や自己責任が拡大し、議会の担う役割がますます重要なものとなってきていることから、議員や会派の政策立案や立法・調査能力の向上は不可欠なものでありそれらを充実するということである。そのことから会派として政務調査費の制度本来の目的に合致するものであると判断し支出決定をおこなった。
それに対し、東京地裁の判決では、まず政務調査費について「議会の審議能力を強化し、議員の調査研究活動の基盤の充実を図るため、議会における会派又は議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化したものであると解される」としている。その上で「政務調査費として適法な支出か否かは、本件学費が政務調査費の制度趣旨に合致するかどうかによって判断するべきであり、議員の調査研究活動の基盤の充実を図るという政務調査費の制度趣旨に合致するものである」と判断している。これは、政務調査費による様々な機関での調査・研究活動を大きく認める内容であり画期的な内容である。
なぜなら政務調査費については、品川区議会で政務調査費をキャバレーでの飲食代に使用した例や福島県郡山市で実際には購入していないカラープリンターの領収書を知人の会社社長に作らせ、所属会派から調査研究費として30万円を騙し取ったとして詐欺罪に問われ有罪となっているなど、議員の政策能力の向上という制度の目的とは裏腹に住民の地方議会不信を招く原因となっているからである。品川区議会や郡山市議会の例は問題外の支出であるといえるが、政務調査費の支出内容に対し多くの議員が臆病になっているという弊害もおきつつあるのも事実である。そのことは情報公開をためらわせる原因ともなっている。支出内容の非公開についてはどんな言い分があろうと公金であることから認めることはできないが、揚げ足取りのような指摘により議員を萎縮させることは望ましいことではない。
分権時代の地方議会に対し市民が望んでいるのは、議員が市民の声を吸い上げた結果を、議会を通じて行政にお願いするのではなく議員自らが政策として企画・立案し議案として論議のテーブルに上げることである。そしてそのためには、議員自らが政策学習と知識の吸収に努める必要がある。
 地方議会・議員に対する市民の不信感は依然として高く、市民に信頼されるようになるためには、議員の役割、そして議員の仕事とは何かということを議員そして市民も考えていく必要がある。東京地裁の判決は議員の役割や仕事に対するひとつの問いかけとなったはずである。

投稿者 takao : この記事へのご意見 (0) : トラックバック (0) : 政治全般

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