「今日のひとこと」トップページ
前の記事:有料化をしたからには
次の記事:今年もこども議会が開かれます
2006年04月28日
練馬区の特別支援教育の取り組み状況
今週は特別支援教育についてお伝えしてきましたが、実際の練馬区の状況はというと、昨年12月に特別支援教育のあり方検討委員会が立ち上がったばかりで現在のところ3回の会議が行われています。
すなわち、まだ練馬区では検討段階であり、校内委員会やコーディネーターの指名・設置は行われていないということで、他の先行する自治体に比べ取り組みが遅れているというのは否めません。
では、何も行われていないというとそういうわけではなく、教職員の専門性の向上のための研修やコーディネーターの人選などが行われています。いうなれば準備のための地ならしをしている最中ということになるのですが、この点についても、ある特別支援教育体制の整備状況の調査によると17年9月現在で、校内委員会を設置しているのは88%、実態把握の状況は72%、コーディネーターの指名は78%となっていることから、練馬区も早急に体制整備を図らなくてはならないのはいうまでもありません。
こうして、全国で取り組み状況に差が生じている現状では、積極的な取り組みを行っている自治体とそうではない自治体では大きな格差が生じてきます。そのことは分権時代で自治体の特色というレベルでは捉えれないものであり、取り組みが遅れている自治体をどう底上げしていくかは大きな課題といえます。
また、特別支援教育の体制整備にあたり、自治体単独で一般財源から予算を割り当てなければ、実際に特別支援教育は絵に描いた餅に終わりかねないといえます。なぜなら、コーディネーターは教員から育成しさらに優秀な教員でなければならないとなると、各学校では教員がコーディネーターになることで学校運営の負担が他の教員に課されることになります。そのことで学校教育全体の底上げが逆に業務の負担増により低下することも危惧されています。それを回避するためには非常勤職員などの増員が必要だと考えられ、それは自治体独自で予算を組まなければ難しい現状があります。練馬区では19年度から開始するとなっていますが、そこではどれだけ特別支援教育のための独自の予算を計上できるかがポイントの一つでもあります。
そのほかにも、学校などの体制のみではなく、子どもや保護者への支援を含めた包括的な体制をどのように構築するかは大きな課題であり、取り組みが遅れてきた分、先行する自治体で課題となっている問題をクリアした体制を構築し練馬区の特別支援教育をスタートさせなければならないと考えています。
参考資料
平成17年度
心身障害者学級設置校
・小学校69校のうち16校 児童数474人
・中学校34校のうち9校 児童数143人
投稿者 takao : この記事へのご意見 (2) : トラックバック (0) : 子育て・教育
この記事のトラックバックURL:
http://www.nozakitakao.net/mt/mt-tb.cgi/680
ご意見欄
読ませていただきました。
予算措置が自治体に任されている、ということは驚きでした。お金がつかないのであれば、野崎さんがおっしゃる通り、そのしわ寄せは現場に行くのであり、持続可能なシステムは到底作ることはできないでしょう。国は「プラン」だけを出して、お金も具体的な方策も自治体任せ、そういうものなのでしょうか。素人には理解できません。現に私の周囲では、「特別支援教育をずいぶん国が大々的にやっているから、これから就学する子は安心だね」というとらえ方がほとんどです。更に素人質問で申し訳ありません。予算はどうやったらつくものなのでしょうか。私たちは誰に、何を訴えればよいのでしょうか。私たちの子供が与えられている時間には限りがあります。10年後にしっかりしたシステムが出来ても、子供の成長は終わっています。今、私たちにできることは何なのでしょうか。
投稿者 イオ : 2006年05月01日 20:43
ご意見ありがとうございます。最近の傾向として国は方針を示すだけ示して財源は自治体で確保しなければならないという流れになっています。それは地方分権という流れに沿ったものなのかもしれませんが、自治体間の財源や政策能力の格差が実際にあることからすべての分野で分権を進めることが果たして望ましいのかは疑問がある点でもあります。
自治体の予算についてですが、これは私も議会でこれから具体的な質問・提案を行っていきます。ただ、実際に予算編成権は区長に委ねられているため最終判断は区長となります。そのことから区長というのは絶大な権限を持っているとても重要な仕事だといえます。しかし、実際には予算を議決し承認したり予算の組み替えなどを行う権限も含めて最終権限は議会にあるのですが、与党が過半数以上を占めている議会構成の場合には与党は区長の提案のまま賛成することから多数決の論理で区長提案の予算がそのまま認められます。そのことから現状の議会制度では不本意ながらも区長が提案する予算案の前に多くの提言をして政策を実現していくのかが議員の役割となってしまっているといえます。このような議会自体も改革していかねばならないと思っていますので議会改革についても積極的に取り組んでいかねばならないと思っています。
特別支援教育や軽度発達障害支援に関しましては全力で取り組んでいくとともに9月の私の質問に向けて日々研究をしているところです。こと、公教育の問題で言えば特別支援教育コーディネーターもそうですが、優秀な教員へのニーズが高まっている一方で団塊の世代の大量退職問題が教育の場でも大きな問題にもなっています。文部科学省の調査では2004年度の定年退職者は約7700人なのですが、2007年度に約14000人、2018年度には25000人なると予測されており教育現場での技能継承なども含めると今後教育関係ではどれだけ自治体が独自で予算を組み取り組んでいくかがとても重要になるとも思っています。
また、議員でなくてもできることは多々あります。手法としては陳情などもありますが、やはり具体的に「何を、どのようにして、構築して、どのような成果をだす」のかを考え提案することが望ましいのだと思います。そのことから言えば上記のことを一人で行うのはとても大変です。それは議員であっても同じといえます。だからこそ市民と議員が力をあわせ、さまざまな問題意識を共有し一緒に考え提案していくそのような形が望ましいものだと私は考えています。私は現場を見たり学んだりすることはできます。一方で当事者でないためわからない部分も多々あると思います。そのようなところをお互いが補い合いながら提案する案を作っていければと思いますので、ぜひ力をあわせて一緒に考えていきましょう。
投稿者 野崎たかお : 2006年05月07日 12:27