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2005年08月03日

地方議会の政策提案の実情 1

平成の大合併をきっかけに誕生したマンモス議会は、議員の報酬や大幅な定数増などリストラと無縁な議会の行動に対し全国30ヵ所以上で議会の解散を求めるリコール運動が起こりました。

そして、その背景には地方議会「不要論」がくすぶっているといえますが、実際の地方議会の制度や現状はどのようなものなのか、シリーズで地方議会を考えてみたいと思います。

第一回 地方議会制度の現状

 国の唯一の立法機関である国会は議院内閣制であるが、地方の政治制度は国会とは異なり首長および議員を直接住民が選挙で選ぶ二元代表制を取っている。しかし、アメリカの大統領制を代表とする二元代表制と日本の二元代表性はその性格が若干異なっている。アメリカの大統領制の議会審議は、議員だけで審議するため大統領は審議には参加しない。一方、日本の地方政治制度では首長は審議に参加している。また日本の二元代表制の首長は強首長制とも言われ人事権・予算編成権・拒否権など行政運営上の重要事項のほぼすべての提案権が首長に与えられていると同時に首長には議会を解散する権限も認められている。以上のことから日本の二元代表性は首長の権限が圧倒的に強く(ストロングメイヤー)議会との関係においても首長優位の制度となっているといる。そのことから議員が自らの政策や住民からの陳情を実現するために首長を支える与党となる傾向が強くなるのも首長に権限が集中している一つの弊害ともいえるのかもしれない。

 しかし、地方分権により国から自治体に多くの権限が委譲され首長の権限が増大する中で、行政機関をチェックする機関である地方議会の役割はこれまで以上に重要なものとなる。そのことは1996年3月の地方分権推進委員会の「中間報告」の中でも『条例制定権の範囲が拡大し、自主課税権を行使する余地が広がることに伴い、地域住民の代表機関として地方公共団体の最終意思の決定に与かる地位にある地方議会と首長の責任は現在に比べ格段に重くなる。』と指摘されている。その後1998年5月に閣議決定された「地方分権推進計画」にも「地方議会の活性化」の項目が設けられ(1)議会の機能強化等として①臨時議会の招集要件、議員の議案提出要件等の緩和の検討、②議決事件の追加、③議会事務局の体制整備、職員の専門能力の向上、(2)議会の組織・構成として議員定数の見直し等、(3)議会の運営として議会審議の公開性の向上等が示されている。議会の活性化という観点から見れば拍子抜けの感じも否めないが、2000年4月の地方自治法(以下、「自治法」)改正により機関委任事務が廃止され自治体の条例制定権が拡充されると同時に、議員の議案提出要件が議員定数の8分の1以上の者の賛成から12分の1以上の者の賛成へ提出要件が緩和されたことは大きな成果の一つといえる。

 さらに、自治法の改正の約1カ月後には(1)政務調査費の制度化、(2)意見書の国会への提出、(3)常任委員会数の条例化。2002年3月には議員の委員会派遣に加え、新たに「議員派遣」の制度化。2004年5月には議会の定例会の回数の条例化などの改革が行われているが「地方議会の活性化」に直接結びつく制度改正といえるものは議案提出要件の緩和や意見書の国会への提出などごくわずかでしかないのが現状である。

次回は議員による議案提出等の現状を配信いたします。

投稿者 takao : この記事へのご意見 (0) : トラックバック (0) : 地方分権

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