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2005年08月10日
地方議会の政策提案の実情 4
第4回 分権時代の地方議会
分権時代に地方議会が果たす役割が大きくなることは間違いない。そして、地方議会の活性化を促進するためには議会事務局のあり方や議決事項の制限列挙の緩和などの措置や法改正が必要なことも間違いないが、これまで見てきたように現状の制度を有効活用することでも地方議会を活性化させることが十分可能なことは明らかである。いうなれば地方議会が活性化するかしないかは議会を構成する議員の意識・意欲次第だということができる。
しかし、現状の地方議会を見ると議員の議会改革への意識や意欲が高いとは決していえない。それは議員一人ひとりの意識の問題でもあり、まずは議員自らが政策学習と知識の吸収に努める必要がある。そのために「政務調査費」という経費も認められている。しかしながら国会議員と違い地域住民と普段から密接に関わる地方議員が政策学習を行えるようになるためには、地域への利益誘導や個人への特定のお願い事などの要望を議員が聞き行政への橋渡しをするといういわゆる「ドブ板」的な活動を認めない体制整備も必要である。これは住民が一番身近な自治体行政のサービスというのはとかく個人に対する給付サービスや個人の財産に関わる施策などが多くあり地域住民と密接に関わる地方議員は、支持者の要望を聞いて回らなければ選挙で当選できないという強迫観念から立法活動などは後回しに御用聞きを第一にと活動する議員が増える原因でもある。このことは個別の要望を実現するために執行権を持つ首長に対しお願いをすることにもなり、議員は要望を実現するための代償として議会での厳しい質問を行わず、首長は行政運営をスムーズに行うために議員の要望を聞くという行政と議会の馴れ合いの構図を生み出す大きな原因となっている。
だが、新宿区議会では議会自らが有識者や区民を公募し議会改革をテーマに懇談会を設置し市民と共に議会改革を模索し、昨年10月には、議員の不正な影響力の行使や地位を利用した圧力などのいわゆる「口利き」等の禁止を盛り込んだ「区議会議員政治倫理条例」の制定が懇談会の答申としてまとめられ、2005年6月の第二回定例会で議員提出議案として「新宿区議会議員政治倫理条例」が全会一致で可決成立した。議会が主体的に市民と共に議会や議員のあり方を検討したプロセスは協働時代の地方議会を模索する上で大いに参考となる事例である。
以上のことから地方分権の時代に地方議会が真の役割を果たす機関に生まれ変わるには国の制度改正を待つのではなく現状の制度を積極的に活用していくことで十分乗り越えられる。そして、市民に信頼され開かれた議会となるためには、議会運営のルールづくりを一部のベテラン議員による「代表者会議」などの非公開の場で行うのではなく、市民を巻き込み公開の場で議論し構築していく必要がある。そのプロセスは一般的に理解されにくい地方議会の役割を市民が新たに学ぶ場となり、地方議会を改革するうえでの大きな効果を生み出すことが期待できる。
地方議会が市民に信頼され行政をチェックする真の機関と生まれ変わることができるのか。それは国の制度改正などを待つまでもなく地方議員と市民が議員の仕事、議会の仕事とは何かを議論しそのうえで議会運営のルールを構築していくことで開かれた地方議会を実現することは可能である。協働の時代の新たな政治の形を作る主役は議員一人ひとりそして市民であり、そのような時代に今突入しつつある。
投稿者 takao : この記事へのご意見 (0) : トラックバック (0) : 地方分権
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