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2004年08月12日

金銭給付サービスの是非

品川区が来年から、都内で初めて、区内在住の小学生以下の子どもにかかる医療費を所得に関係なく全面無料化する方針を発表しました。2月に発表した方針との違いは所得制限の撤廃で、小学生で所得制限が撤廃されたことに伴い乳幼児も所得制限をなくし全世帯を対象にするといいます。

品川区がこのような政策を打ち出した背景には、23区の中でも出生率が0.85と平均を下回っていることによる子育て支援対策的な色合いが強いのですが、その効果には大きな疑問があると共に、長期的に見た場合、財政的にはマイナスの効果が大きいように思います。

その理由は、金銭給付サービスが飛びぬけて良い自治体には、そのサービスを求め人口移動が起こります。そこで危惧されるのは、所得制限がないため比較的納税額の少ない世帯が流入し、その結果、人口は増えても財政負担だけが増加し、税収は増えないという問題に発展します。そして、一度始めた金銭給付サービスを廃止するのは難しく、やめたくてもやめられない状態になります。

ではどうすればよいのか、基本的に今回のようなケースの金銭給付サービスは本来ならば国や都など広域で行うことが望ましいと思います。
しかし、子育て支援の充実という課題に対応するのならば、何も金銭給付サービスではなく子どもが安心して暮らせるような交通環境や公園などの地域インフラ整備や、緊急時に即時に対応できる体制などを充実させることで、より子育てのしやすい環境を作ることが望ましいと考えます。そのことでトータル的には子育てにかかる費用は軽減され、さらに何が起きても大丈夫といった安心感も得られます。
また、そこで暮らす他の世代にとってもメリットがでてきます。

今回の問題提起には賛否両論あると思いますが、行政の施策と言うのは本来、10年後、20年後、30年後の社会環境を見据えながら、その効果と成果を見極め行っていかなければならないものです。だからこそ、「本当に必要な行政サービスとは何か」をしっかり検証していかなければ、いつまでたっても「今が大事で負担は将来に先送り」と言うことが繰り返されてしまうと私は感じています。

投稿者 takao : この記事へのご意見 (0) : トラックバック (0) : 福祉・医療・介護

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