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2006年07月20日

サービスという言葉に持つ違和感

都内で保育園というと公立保育園、私立認可保育園、認証保育所がまず思い浮かぶかもしれませんが、他に認定保育室や家庭福祉員(保育ママ)という保育を担う保育園もしくは形があります。

ここ数年、保育問題に取り組んできていますが今年はさらにさらに幅を広げるべく保育室、家庭福祉員についても詳しく勉強して行こうと思っています。

そんな中で、早速区内にある保育室を見学してきたのですが、施設こそ認可園や認証保育所に比べると見劣りする面もあるかもしれませんが、肝心の保育や環境、雰囲気などは小規模ゆえのよさを活かし保育室の理念をストレートに実践しています。

見学した保育室は例年稼働率は100%近くで入園まちがでるほど人気があるところでもありましたが、保育室のおかれている環境は年々厳しくなっているようで、東京都が認証保育所を広げるために保育室には認証保育所への移行を促しているようです。

しかし、ここで問題がいくつか発生するのは認証保育所は基本は事業者が行うものでさらにいえば法人が主な運営主体でもあります。そのことから認証保育所という制度は企業努力が加味されてできているといえます。一方で保育室は個人で経営しているところが多く規模の拡充などよりも「こだわり」を大切にしているといえ、そのことから企業努力の余地はもともとあまりないといえます。また都や区から補助金が出ているとはいえ公立保育園などと比べれば保育室の運営環境は恵まれているといえるものではないといえます。

いずれにしても、多様な保育ニーズという言葉が乱用される昨今ですが、延長保育や休日保育というメニューだけがニーズではなく望んで保育室に預けるというニーズも多様な保育ニーズであるということも忘れてはならない視点であるといえます。

それにしても保育サービスという言葉を聞くたびに違和感を覚えます。一方で「福祉」と言い切るのにも施してきな意味を含んでいることから違和感を持っています。保育だけに限ったことではなく教育も公共サービスといわれたりしているのですが、区役所の窓口対応のようなところでサービス精神を持つのは必要不可欠であるといえますが、保育や教育という分野でサービスというとそれが行き過ぎた結果が今の教師や保育士が保護者に萎縮してしまい、保護者の理不尽な対応が発生してもただただ先生が平謝りするような環境が生まれてしまいかねません。それは双方にとって不幸なことだと思うのです。

過剰ともいえる行政のサービス化を推し進める背景には選挙という洗礼を受ける政治の思惑が強く影響しているといえるのですが、事業によっては供給側と受給側がともに考え、ともに成長していくという価値観を共有していくとが子どもたちにとっても社会にとっても望ましい形なのではないかと思えてなりません。

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ご意見欄

 私は、今までいくつか(証保育室を含めた)の保育園で働いてきた保育士です。そして今は練馬区の保育室で働いております。認証保育室は子供を持つ母親にとって認知度が高くなってきていますが、保育室という形態はよく知られていない部分があるんだと感じました。よく「認証保育室と(認定)保育室ってどう違うんですか?」と聞かれることがあります。
 以前、働いていた認証保育室はA型の保育室でしたが園長は雇われているため、何かを始めようと思っても会社にお伺いをたてないとならないし、週に1度の割合で本社に行かなければならず、「利益をあげるため」の会議が行われるのです。その間、会議のために1人の保育士が出かけてしまうため、保育室は怪我が起こらないように保育することに専念せざるをえず本来の「保育」ができない状態でした。チェーン店の認証保育室だったために、ブランチ保育室との保育料の成績表(売上表)を発表し、成績の悪いブランチ保育室は「もっと利益をあげるように!」とはっぱをかけられるのです。
 また見た目を重視するがあまり、肝心の保育に関わる物(おもちゃ等)は予算がないからということでカットされる始末…。
 そんな中でも一生懸命に子供のためを思って働き、また自分の保育に対する考えを伝えた上で直して欲しいところを訴えたものの結局何も変わらない状態だったので、1年でその園を辞める決意をしました。
 今、働いている保育室は規模は小さいものの1人1人の子供の個性を尊重し、そして保護者の方に対しても不安や悩みをしっかりと受け止めて、そしてアドバイスし、保護者と共に子供を保育しているということを実践しています。その姿勢にとても嬉しく思い、また保育園(様々な形の保育園がありますが)は、規模ではなくその保育園の理念やまた子供や保護者に対する姿勢がどうであるかが重要なのだと改めて感じさせてくれた保育室です。
 認証保育室に働いていたときから、常々「認証保育室という制度を作ったときに、なぜ東京都は保育とは無関係な企業を参入させるのか?」と疑問に思い、また憤りさえ感じていました。(今もその気持ちは、全く変わりません。)そんな想いを感じているのは、私だけではないと確信しております。また事実そういった保育を行っているという現実を東京都は知っているのか?そして知っていたらどのように感じているのか?と東京都としての考えを聞いてみたいものです(でも東京都は事実を知っていたとしても、口が裂けても言わないですよね)。
 長くなってしまいましたが、すべての認証保育室がそうだとは思いません。誠実に子供のことを思っての保育を行っているところもあると思っています。でも東京都は保育室に対して認証保育室へ移行を進めているのはまぎれもない現実です。(私が働いている保育室も移行をすすめられています。)野崎さんがおっしゃるように様々な形態の保育園があってもいいと思うのですが、それをどうして1つの型にはめようとするのでしょうね?
 色々な方の意見をお聞きしたいと思います!
 

投稿者 ぺんぎん : 2006年07月21日 21:09

 私の下の子は練馬区の保育室(いわゆるグループ保育室)に通っていました。小さなアパートの一室を借り上げた保育室で、最初はとても不安に思いましたが、通わせているうちにあっという間にその不安は消えました。こじんまりとしていますが、ひとりひとりの子どもに行き届いた保育がされており、親の子育ての悩みもよく聴いてくれて、本当に良い保育室でした。いまでも(子どもは小学生)、ときどき親子で遊びにいったりしています。
 その保育室がどうよかったのか?私ははっきりと「これ」とは言えません。でも子どもの様子を見れば一目瞭然。良さはひとえに保育士さんの良さ。人格や保育にかける思いであると思っています。設備についてはもちろん保育所などとは比べものにはならないほど貧弱ではありますが、そこは全く問題にならないほど、保育士さんのいろいろな工夫がありました。
 東京都が「認定こども園」という新たな制度を検討している今、保育の現場で、いったい何が大切なのか、もう一度しっかり検証する必要があると私は思います。
 とにかく子どもを預けることができればそれでいい、保育待機児が減ればそれでよいのか。そんなことはないはずです。やっぱり中身が大事だと思います。
 保育待機児童が多い中、公の保育室や保育園に入れた親や子はラッキー。その上でまだ良い中身を望むのは、それはわがまま。という意見もあるかもしれません。しかし、保育に欠ける家庭への支援だけでなく、そうでない
家庭への支援を厚くするにしても、やはりそれがいくら行き渡るか、ではなく、やはり大事なのはその内容であると思います。
 例え企業でも、子ども達と現場の意見を優先し、それが企業利益よりも優先できるような制度の設計は、私は可能なのではないかと思います。官から民へというステップの中で、民間の安さだけを目的としては現場の力の低下は必ず生じてくると思います。まずは現場。保育や子育て支援の現場をよく見、どのような内容の確保が必要なのか、そのためには何が必要なのか、を見極めた上で、では財源をどうするか、制度をどうするか、現場の監査や育成、評価の方法をどうするか、企業の社会的責任をどう創りあげるか、というところから始める必要があるのではないでしょうか。そうしないと、いくら待機児童が減り、家庭への子育て支援が拡充されても、「あたりはずれ」が生まれてきてしまいます。それを市場原理の「淘汰」に任せてしまったら、「公」なるものの意味など、なくなってしまうのではないでしょうか。
 このまま少子高齢化が進めば、私たちの生活は一変すると思います。企業だって労働力や若い世代の市場が確保できなければ、それは死活問題と言えるでしょう。官・民、それぞれの問題とは言えない、まさに社会の問題であるのだから、官も民もわれわれ市民も、共通の問題意識から、ともに話し合い、それぞれの役割のもと、これからのあり方を考えて行かねばならないのではないかと思います。
 なんだか、えらそうな事、長々と書いてしまって、すみません。
 

投稿者 仙業主夫 : 2006年07月24日 11:56

私は運良く(?)私立認可S保育園に年度途中にも関わらず入れましたが、わざわざ高いお金を払って認証保育所に転園しました。

区役所の方にも「もったいない」と言われましたが、確かにもったいない事だと思います。
月の保育料は倍近く、さらに数万円の入園料もかかります。また、新しい保育園を探す時間、労力、子供にとってもせっかく慣れたのに、また新しい園で慣らし保育から、負担をかけてしまい可哀想な事をしたと思います。

しかし、私が転園する理由は自分の仕事の都合などではなく、その私立認可S保育園には子供を安心して預けることができなかったからです。信頼できなかったからです。
もちろん、認可園ですので、ハード面は何の問題もありません。むしろ園舎も新しく立て替えたばかり、園庭もとても広く、環境にはとても恵まれている園でした。
しかし、施設や環境に恵まれていても結局は「人」次第だと思うのです。
その園は今年から0歳児保育を始めたばかりなのですが、見学の際の説明で「今後、全体の定員を減らして行く方向であり、そのための区との交換条件として0歳児の受け入れをはじめた」と言っていましたが今思えばそれが全てを物語っていたような気がします。

0歳児の部屋はきれいで立派なものですが、そこでの保育時間は3時半まで。その後は、「私たち、4時から会議に行かなくちゃ行けないので!」との理由で4時前からは古い体育館のようなホールで5歳児まで一緒の縦割り保育になってしまいます。

ある日、3時半に迎えに行くと、子供は一人でおもちゃで遊んでいて、保育士は3名いるものの3名とも子供はほったらかしでバタバタと部屋の片付けをしていました。(その時も忙しそうに「4時から会議なので!」と言っていました)さらにそのうち一人は子供の近くで掃除機をかけていました。帰り際に、看護士に「呼吸がぜーぜーいっているので病院にいってください」と言われました。

ある日、常に施錠してあるはずの門が開いていました。(2ヶ月間のうち、2回発見しました)それを園長に電話で伝えると、言い訳だけ述べたうえで一方的に電話を切られました。

ある日、保護者(私)がいることを認識していながら、特定の子の保護者の悪口を主任保育士が大声で話していました。
既に他の子供を保育中の出来事です。

8月に仕事の休みの予定がなかったので、8月中はほぼ毎日登園の希望を前もって出していたにもかかわらず、「8月の14日~18日の一週間、3人いる担任が揃って休みをとります。他の同級生のお友達も皆さんお休みします。“休め”とは言いませんが、担任の保育士がいないし環境も普段と違うので、その週の登園は厳しいと思います。」というような内容の事を言われ、仕事の調整をせざるを得ませんでした。

以上は全て私が体験した事実です。
この他にもお迎えにいくと職員が保護者に対して「ご苦労様です」と言う事、朝8時半過ぎに登園しても部屋の電気もついていなく保育士さんがだれもいないこともある・・・などなど、疑問を感じる事は多々ありました。

私は延長保育や休日保育のようなサービスを求めているわけではありません。ただ最低限、安心して子供を預けて、仕事をしたいだけなのです。
そもそも保育園はさまざまな事情で保育できない人をサポートするためにあるのではないのですか?
もちろん、理不尽な保護者に保育園や保育士さんが萎縮することなんてないと思います。
しかし、このような認可保育園も実際あるわけで、そういった園を認可している以上、管理している区にも不信感を覚えてしまいます。

サービスと言ってもいろいろな意味合いがあると思いますし、人それぞれの解釈の仕方、考え方、あると思います。

私は、保育園に対して“保護者が安心して子供を預けられ、安心して仕事が出来る”そういった基本的なところでサービス精神は持つべきだと思います。

もちろん、基本的なところでのサービス精神はほとんどの保育園では持っておられる、とも思っています。
だからこそ、こういった認可園が現状のまま在り続けることは、他のちゃんと頑張っている保育園に対しても認可園はみんなこんなものか、と思われても仕方がなく、マイナスイメージになると思います。

長々と失礼いたしました。

投稿者 一働く母親 : 2006年07月28日 00:31

 一働く母親さんのコメントを拝見いたしました。私は、保育士という立場上、様々な所から様々な話を聞きます。一働く母親さんのお話のような保育園があるのは事実であり、ある区立保育園では、延長保育の枠に入れたので(7:30まで預けることができます。)7:00過ぎにお迎えに行くと保育士達は帰り支度を始めており、7:30を過ぎているのならまだしも延長保育時間内であるにも関わらず、早く迎えに来て欲しいという雰囲気が漂っており、何のために延長保育に入ったのか分からないという話を聞きました。また、区立の保育園は園長先生が数年ごとに代わるのですがそのたびに保育園の方針が変わり、「今までだったら保護者よりの考えの園長先生だったのに、今度の園長先生は区役所よりの考え方なので事務的で…。保護者の気持ちを分かっていない。」と言う声さえ聞かれます。また、これは市立保育園で0歳児保育を行なっているところだったのですが、担当の先生が入園時の挨拶で「私は、自分の子供を育ててから、0歳児を保育していないので(50歳くらいの保育士だったようです。)0歳児のお子さんの保育は久しぶりなので…。頑張ります!」という挨拶をされたようなのですが、その時に0歳児のお子さんを持つその方は不安に思ったようです。また、そこの保育園の3歳児クラスの担任の先生は子供達に強い口調で話し、またそういった言葉の圧力で子供達の統制をはかる保育士がいたようなのですが、その3歳児クラスの子供達は精神的な症状が出始めて保育園全体の問題となったようです。でも園長先生はその保育士に強く出ることができず、父母会の力で担任を退いてもらうこととなったそうです。
 一働く母親さんのおっしゃるとおり、結局は認可保育園であれ、認証保育室、保育室、家庭福祉員と様々な形態がありますが認可されているからいい保育園とは限らないと私は思います。そこの保育園または保育ママさんの人柄や保育に対する考え方・姿勢によって、まったく雰囲気が変わります。
 また逆を言えば、これだけ認可外保育室で休日保育・延長保育・病後児保育(私は、この病後児保育については全面的に賛成はできません。)と様々な取り組みを行なっている中で行政の行なっている区立保育園ではどうしてなかなかそういった保育を取り入れていこうとしないのかが疑問でなりません。区立保育園こそ積極的に行なうべきだと思います。(労働組合の力が大きいのでしょうね。…ということは、労働組合に入っている保育士は保育を必要としている方のことをあまり考えていないということなのかと思ってしまいます。)
 また一働く母親さんのおっしゃる通り、「理不尽な保護者に保育園や保育士さんが萎縮することなんてない。」と言う言葉を聞いてホッとしました。ここ数年、そういった保護者の方が増えてきているように感じていたのですが、そういった方が何かを言ってきても(当保育園では出来ることは誠心誠意、保育を行なっています。)、理不尽なことについては、きちんと保育園の考え方を伝えた上で理解を求めるようにしており、そういったことに対しては保育園側もまた保育士も萎縮せずにきちんと説明をすべきだと思います。
 長くなりましたが、保育というものは人間が一人間を心身ともに健やかに育つよう保護者に代わって保育しその子供の成長を促す事です。それを担うのは保育士であり、認可されているかどうかは全く関係のない事です。保育士の保育に対する考え方・姿勢が重要です。
 行政側もそこを理解すべきであり、前にコメントされていたぺんぎんさんのおっしゃるように認証保育室へ移行すれば、いい保育ができるかといったらそれは違うと思います。保育や介護に携わる人は、その人格や仕事に対する姿勢が問われていくべきと思います。
 

投稿者 一保育士 : 2006年07月29日 12:43

たくさんのご意見、ご提案ありがとうございます。

私も大変勉強になることばかりです。

これからも、こうして気軽に意見交換しながらよりよい政策をみなさまと考えていければと思いますのでよろしくお願いいたします。

投稿者 野崎たかお : 2006年08月13日 23:49