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2006年05月25日

行政施策の進め方とは

22日に横浜地裁での横浜市立保育所民営化訴訟の判決(全文PDF)は画期的なものでした。裁判での争点はいくつかありますが、ポイントになったのは「民営化までの手続きが適正だったか。保育に対する認識。」ということだと思います。

判決では「横浜市は児童への悪影響を最小限にとどめるために必要な措置を取り、そのような観点で民営化実施時期を定める注意義務を負っていた。民営化時期を04年4月1日としたことは、この注意義務に照らせば、国家賠償法上も違法行為となる。」と指摘しています。ここでいう「実施時期を定める注意義務」にはさらに大きな内容が含まれており「横浜市が1年後の民営化実施を行政的には決定事項で変更できないものとし、協議の余地がなかった点にある。」つまり、利用者との協議は名ばかりで一年後に民営化するという結論は動かせないという前提で利用者を説得するだけの協議は協議と言わないと指摘していると考えられます。

横浜市と練馬区の保育園の委託は横浜市が完全民営化、練馬区が直営の業務委託という違いこそありますが「協議」の必要性という点では同一のものであり、そのことから照らし合わせると練馬区も横浜市と同じように「注意義務」を怠っていたことは明らかであるといえます。

今回の判決を見ると「行政」は誰のためにあるのかという自治のあり方を問題としているように見えます。なぜなら、「財政が厳しいから委託する」という行政改革の実際を見ると、住民が望む優先順位を定め行政改革を進めているのではなく、政治的な力を背景に持たないどちらかというと対象者が弱い立場にあるところから率先して行われているという感じが否めないからです。練馬区で言えば新規の箱物建設を推し進める一方で行われた強引な委託に納得が得られないのは当然だったといえます。

一方で議会の役割、存在意義に関しても判決は問題提起をしていると思うのです。保育園の委託化を進める川崎市では横浜での判決後議会が委託に慎重な議論に変わったといいます。たしかに判決を尊重するのは当然のことだといえます。しかし、本来、裁判となるまでの事業の進め方を議会という場で改善できなかったのは議会が本来の議会の機能を果たしていない状態であるといえます。このことに関しては自分自身も評論家ではなく練馬区議会という場で拙速な委託のプロセスを批判していたと自己を正当化するのではなく、それを結果的には止められず多くの子どもや保護者に不安や苦しみ与えてしまったことを率直にお詫びをすると同時に議会が議会の役割を果たせるよう議会改革を進めていかねばなりません。

※参考 18年度以降建設予定施設
【豊玉・中村地域交流スポーツセンター】
ランニングコスト 90億円(60年分)
施設改修コスト 21億円
金利       6億円
合計 117億円(建設費除く)

【ふるさと文化館】
ランニングコスト 48億円(60年分)
施設改修コスト 7.6億円
金利       1.4億円
合計 57億円(建設費除く)

【南田中図書館】
ランニングコスト 46.2億円(60年分)
施設改修コスト    3億円
金利       0.48億円
合計 49.8億円(建設費除く)

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