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2004年12月17日

協働の時代へ向けて

NPO政策大学院が主催する「NPOと行政の協働-指定管理者制度への取組と課題-」に参加してきました。近年、行政だけでは解決が困難になってきた問題などで、行政とNPOの協働が盛んに言われています。その背景には、地域の課題は地域で解決するという住民自治の流れがあるといえます。

そんな中、新たに創設された指定管理者制度によってNPOと行政の関係がどのように変わっていくのか、そのメリットとデメリットを検証するというのが講座の主なテーマです。

指定管理者制度をめぐっては様々な指摘がなされていますが、指定管理者制度による図書館業務代行を行っている山中湖情報創造館の事例では、メリットとして、
 ・人件費の低減と定率化
 ・運営方法の斬新さ(交代制による時間延長)
 ・従来の常識に縛られない図書館サービス
 ・事務連絡の敏速さと、決済までの時間短縮
 ・職員の意欲の維持と、能力発揮の自由さ
 ・ボランティア活動の受け入れの幅広さ
 ・労働時間の短縮によるワークシェアリング
 ・専門性の確保と、質の維持及び向上
があげられ、一方のデメリットとして
 ・継続性の保証
 ・不安定な職場意識が生む、労働意欲の減退
 ・お金を出す行政側の要求に従わなければ契約が成立しないことが考えられる。
 ・管理者側の知恵や意欲を数字として伝え、理解させるのが難しい。
 ・契約金額に利益を計上することが難しい。
 ・職員研修の場が少ない(公益研修のみ)
 ・経済性を表に出すと市民から敬遠される。
という7項目が挙げられています。

さらに他の事例を見ても必ず検討課題にあがっているのが「民間事業者に委ねることで経費削減が図れるか」ということで、「サービス内容の充実、民間ノウハウの活用」という建前より、制度の主眼には経費削減が念頭に置かれていることがわかります。

ですが大切なのは、民間に委ねて経費を削減するということが、ただ安く下請けに行わせるということになるのかどうかという点です。

個人的には、経費削減のためと言うのであれば、これまで行政が経営効率を軽視して運営してきた高コストな経費を基準として高い安いを議論するのは間違っていると思うところです。指定管理者制度により施設運営を民間に委ねるときには、その施設を運営するにあたって妥当と思われるコストを見積もった上で、そこから高いか安いかの議論を始めるべきだと思っています。

しかし建前上、行政が直営で行ってきた事業の経費が高すぎたと認めることは考えにくく、一方で民間側も適切な運営コストの基準として行政が実施してきた経費をベースとして考えるため、安上がりな下請けになるのではという疑念を持ってしまう傾向があります。

その他にも、管理業務期間を過ぎて新たに業者を選ぶときに、既存の委託先ではなく新しい業者が選ばれた場合、これまで管理業務を担ってきた現場で働いているスタッフの雇用は引き継がれるのかなど大きな課題が多くあります。

今、自治体は指定管理者の導入を競いあうように行っていますが、将来を見据えた制度設計がなされているとは言えない状況に、将来の問題は後で考えればいいといった先送りの体質がここにも出ているのかと危惧しています。

投稿者 takao : トラックバック (0) : 市民参画・協働 : にほんブログ村 政治ブログへ

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