公共政策大学院の学費支出について(2)
東京地裁の出した政務調査費の支出要件について議員の調査研究活動の意義を明確に認める画期的な判決について、これを不服としたある区議会議員が控訴していた控訴審の判決が東京高裁で行われました。
結果はやはり控訴棄却(訴訟費用は控訴人負担)となり、公共政策大学院の学費支出についても地裁判決より踏み込んだ判断が示されました。以下、判決の関連部分を抜粋して掲載します。
(控訴審判決の全文をPDFでダウンロードできます
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東京高等裁判所 2006年11月8日判決文 −抜粋−
主 文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
(6) 原判決40頁17行目末尾の次に行を改め、次のとおり加える。
「(5) 控訴人は、政務調査費は、議会における会派又は議員が行う調査研究活動に必要な経費であるが、野崎が通ったガバナンス研究科は、理論の構築、国際的視野の養成、法律知識などを修得することなど学生個人のための知識、能力の修得を目的とするものであり、一方、議員の任期は4年間で、勤務が将来に継続することを前提とされていないのであるから、ガバナンス研究科への通学は結局、野崎の個人的な知識、能力の習得でしかなく、その学費を政務調査費で充てることはできないと主張する。
しかしながら、証拠(乙15)及び弁論の全趣旨によれば、民主新緑・無所属議員団は、地方分権推進の流れの中で、自治体にも福祉行政、環境行政、都市計画など複雑高度な問題に対する対応能力が要求されるようになることに鑑み、同会派所属議員の政策立案能力や法務能力の向上を図るため同会派の議員である野崎を明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科に派遣したことが認められ、こうした経緯に同ガバナンス研究科の前記研究、教育内容に照らせば、野崎の通学は、野崎個人の能力を高め、それを区政に還元させることを目的としたものであり、また客観的にも区政の充実に役立つものとみることができるから、これを区政とは関係のない野崎個人の知識、能力の取得にとどまるものであるということは到底できない。したがって、控訴人の上記主張は理由がない。」
2 以上によれば、控訴人の被控訴人に対する上記各請求((中略)民主新緑・無所属議員団に対してする野崎の明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科の後期分の学費61万5000円に相当する金員の支払請求を求める各請求)はいずれも理由がなく、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第20民事部
裁判長裁判官 宮崎 公男
裁判官 山本 博
裁判官 今泉 秀和
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